春秋

春秋
2019/11/25付
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日本にも旧石器時代があったことを証明した群馬県・岩宿遺跡の発掘から今年は70年の節目だ。地元の公民館などでは狩猟採集で生活していたこの時代に関する講演会が相次いで開かれ、今月そのひとつに参加した。そのなかで興味深い海外の研究成果の紹介があった。

▼旧石器人は、未知の土地での獲物の探索と、勝手知ったエリア内で獲物の居場所を予測し仕留める行動の2つを、並行して進めていたという。同じ土地にとどまったままでは食料資源が枯渇するので、新天地の開拓は欠かせない。ただし、当座の生活を考えると、高い確率で獲物を手に入れる工夫も怠れないというわけだ。

▼いま企業に求められることと、かなり似ている。激しさを増す競争に勝つにはイノベーションの種を求め、土地勘のない分野にも出ていって技術や人材を取り込む必要がある。同時に、目先の利益を確保するにはこれまでの経験を踏まえた製品改良や効率化が外せない。旧石器時代と同様、両刀遣いが生存の条件といえる。

▼狩猟、農耕、工業、情報社会と発展してきたが、生き残るための行動には一定のパターンがあるのかもしれない。旧石器時代と現代では探索するものが違うが、進むべき方向を示すリーダーの役割が重要なことも共通している。人工知能(AI)が広がる未来社会「ソサエティー5.0」でもこの点は変わらない気がする。

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