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決済アプリ、消費増税で利用5割増 ペイペイ飛躍

読み解き 今コレ!アプリ フラーAppApeLab編集長・日影耕造氏

NIKKEI MJ

消費税増税から1カ月半が経過した。政府が増税と同時に打ち出した「キャッシュレス還元」という大きなインセンティブにより、モバイル決済アプリの利用はどう変化したのだろうか。

キャッシュレス還元の対象店舗が増えている

フラー(千葉県柏市)が手がけるアプリ分析ツール「AppApe」でファイナンスカテゴリの月間利用者数ランキング(10月、アンドロイドのみ)を見ると、上位5アプリのうち実に4アプリをモバイル決済専門アプリが占めた。4アプリの合計月間利用者数(MAU)は987万人と、わずか2カ月で47%も増えた。

最も伸びが著しかったのは、2018年12月の100億円還元キャンペーンで一気にモバイル決済の中心に躍り出た「PayPay(ペイペイ)」だ。19年10月の月間利用者数は8月に比べ84%も増えた。アプリに関するウェブメディアを手がけるナイル(東京・品川)が10月現在のモバイル決済の利用動向をまとめた調査結果でも、モバイル決済で利用したことがあるサービスでペイペイが1位となっている。認知度をいち早く獲得したことが大きな伸びにつながった形だ。

ペイペイ以外のアプリを見ると、「楽天ペイ」は57%増、「d払い」は48%増、「auウォレット」は4%増だった。増え幅にばらつきはあるものの、いずれも増税前に比べ利用を伸ばした。

ファイナンスカテゴリ全体を見渡すと、上位100アプリの10月の合計月間利用者数は3324万人で、8月から14%増えた。モバイル決済を含むフィンテック市場全体のボリュームは急速に増大している。

キャッシュレス還元が追い風となる中、各社とも大型キャンペーンを打ち出し、ユーザーの取り込みに躍起だ。キャッシュレス還元対象外の店舗でも独自のポイント還元を打ち出したり、新規ユーザーの紹介にインセンティブを付与したりと、消費者を「お得」で囲い込もうと工夫をこらす。

お得さはユーザーにとって重要だが、キャッシュレスの還元競争には限界がある。今後はアプリによる決済体験の価値を最大にすることが特徴を打ち出す鍵を握るだろう。財布から小銭を出すのが不便でモバイル決済をしているのに、アプリによる決済でストレスを感じては本末転倒だ。リアルな財布以上にユーザーが価値を実感できるアプリの追求が加速するだろう。

キャッシュレス推進協議会によると、日本のキャッシュレス決済比率は2017年時点で21%とまだまだ市場の伸び代が大きく、変化の真っただ中にある。モバイル決済の勢力図も大きく変わろうとしている。ヤフーが手がけるペイペイとラインの「LINE Pay」が経営統合すると、他社をさらに大きく引き離す形となる。ダイナミックな動きが加速しているモバイル決済の動向に一層注目が集まる。

[日経MJ2019年11月20日付]

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