春秋

春秋
2019/11/18付
保存
共有
印刷
その他

「ワー、キッタネー」。そんな子どもたちの声がいく度も響いていた。昨年の夏、台風一過に訪れた伊豆半島のとある海水浴場での出来事である。強い風に吹き寄せられたおびただしい数のプラスチック製のレジ袋やら洗剤などの容器が波打ち際に所狭しと漂っている。

▼浮輪を抱えた子らが、残念そうにパラソルに戻る姿が印象的だった。やや古い推計だが、陸から海洋へ流出したプラスチックごみは2010年が日本では最大6万トン。一衣帯水の中国では同じく353万トンにも上るという。このままで行くと約30年後には海の中のプラスチックの量が魚の量を超えるとの試算もあるようだ。

▼日本でも来年7月から、すべての小売店でレジ袋の有料化が義務付けられることになった。廃プラスチック汚染への対策の小さな一歩だ。難題は私たち消費者の意識ではなかろうか。先日、コンビニで尋ねてみると、レジ袋は7種類も用意しているという。小から大、さらに弁当向けと客のニーズに応えた結果でもあろう。

▼豆腐を買うときはザルを、おでんには鍋を、それぞれ持参した時代もあった。古新聞もりっぱな包装紙だったっけ。少しの不便や手間を受け入れて、プラごみや汚染が減る。そんな好循環を目指したいものだ。日本の施策は遅れ気味と聞く。いつの日か海辺でこんな歓声が聞ける日が来るだろうか。「ワー、キレイダネー」

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]