ソニーのおもちゃロボ「toio」 技術公開、遊びの種まく
先読みウェブワールド (山田剛良氏)

2019/11/18付
保存
共有
印刷
その他

NIKKEI MJ

ブロック状のロボットを動かして様々な遊びを楽しめる

ブロック状のロボットを動かして様々な遊びを楽しめる

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が販売するロボットトイ「toio(トイオ)」(本体の希望小売価格は税別1万6980円)。「コアキューブ」と呼ぶ小さなブロック状のロボットを動かして遊ぶ新世代のおもちゃだ。12日の新コンテンツ発表会では開発中のタイトルを一気に公開。遊び方のバリエーションを大幅に広げた。

「子どもも大人もクリエーターになって新しい遊びを作るというコンセプト通りの製品になってきた」と、トイオ開発者でT事業企画室課長の田中章愛さんは胸を張る。

ピコトンズを実演する中山さん。キューブをシートの上で動かすと音が鳴ったり音色を調節できたりする

ピコトンズを実演する中山さん。キューブをシートの上で動かすと音が鳴ったり音色を調節できたりする

新タイトル「おんがくであそぼう ピコトンズ」(2020年夏発売予定)は、キューブを手に取り、鍵盤やつまみが描かれたシートの上を動かしたりひねったりして音楽を演奏する。これまではプログラムで制御したキューブのコミカルで愛らしい動きを楽しむものが多かったが、まったく別の遊び方を示した。絶対位置の検出機能や加速度センサーなどを活用した。

映像作家の横田将士さん(キッチン社長)がディレクションし、作曲家の烏田晴奈さん、高校生トラックメーカーとして人気のSASUKEさんらの協力を得る。「いつの間にか本格的な作曲法が学べるタイトルにしたい」とトイオの共同開発者でもある中山哲法さんは意気込む。

11月下旬にはトイオ専用のスマートフォンアプリ「ウロチョロス」も無償公開する。人工知能(AI)を使いキューブに命を吹き込む。生き物のように勝手に動き出し、遊んだり相談したり歌ったりする。「見る人が見れば高度なAIを使っていると分かる」(田中さん)という。

開発したのはゲーム向けAIを開発するモリカトロン(東京・新宿)。社長の森川幸人さんはテレビ番組「ウゴウゴルーガ」のCG制作やAIを組み込んだゲーム「アストロノーカ」などで知られる。ウロチョロスは「AIの個人的な研究を兼ねて」(森川さん)始めたという。

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て16年から日経テクノロジー・オンライン(現・日経 xTECH)副編集長。17年10月から日経ものづくり編集長も兼任。京都府出身

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て16年から日経テクノロジー・オンライン(現・日経 xTECH)副編集長。17年10月から日経ものづくり編集長も兼任。京都府出身

森川さんらSIE外部の開発者を呼び寄せたのは、SIEが6月に実施したトイオの技術仕様の公開だ。誰でもキューブを自在に制御するプログラムを作れるようにし、ウロチョロスは実際にこの公開資料だけで作ったという。

トイオ事業を統括するSIE・T事業企画室長の中多大介さんは「開発者の田中さんらが技術仕様の公開を言い出したときは、あり得ないと思った」と明かす。技術仕様は有料コンテンツを生み出す「秘伝のレシピ」。だが蓋を開けると「内部だけでは決して出てこない斬新なアイデアをたくさん呼び込めている。大正解だった」という。

登場当初のトイオは大きな可能性を感じさせた。ただ、「どうやって遊ぶか」が言葉で説明しにくく、遊び方のバリエーション提示が少ないという課題があった。SIEは前者を地道なワークショップの開催で、後者を技術仕様の公開で乗り越えつつある。トイオは「新しい遊びのプラットフォーム」への階段を1つ登ったのではないだろうか。

[日経MJ2019年11月18日付]

日経電子版が最長2月末まで無料!
初割は1/24締切!無料期間中の解約OK!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]