市民の台所、訪日客も舌鼓 ピアBandai(新潟市)
おもてなし 魅せどころ

コラム(ビジネス)
2019/11/18付
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NIKKEI MJ

新鮮な魚介や食肉、農産物に日本酒。新潟市・万代島にある商業施設の「ピアBandai」では、新潟の名産品や土産物を中心にあらゆる食材が手ごろな値段で入手できる。エリア内の飲食店やカフェも人気を集め、新潟市民の台所と観光拠点の2つの顔を併せ持つ。近年は外国人観光客の対応にも力を入れる。

「万代島鮮魚センター」は手ごろな値段で豊富な魚介を購入できる

「万代島鮮魚センター」は手ごろな値段で豊富な魚介を購入できる

10月下旬の午前10時すぎ。昼食にはまだ早い時間だが「廻転寿司 弁慶」のピア万代店の前には長蛇の列ができていた。「私、大阪から来ました」「こっちは千葉で、今日が3回目です」。待ち時間の女性の会話からも、全国各地にファンがいることが分かる。佐渡島から直送する魚や貝類の新鮮さが人気だ。

施設にはすし屋を含めて13店が出店。豊富な海の幸がある「万代島鮮魚センター」や農産物の産直市場、食肉店、県内70酒蔵の地酒がそろう「セルフ片山」などがある。

屋外にはテントや椅子、テーブルを備えたスペースもある。福岡から家族で観光に訪れた主婦(58)は午前中にすし屋で舌鼓を打ち、土産物を購入後、ビールを片手にアユやカキの「浜焼き」を味わった。「もうおなかいっぱい」と満足げな表情を見せた。

ピアBandaiの開業は2010年。運営会社は地元企業の経営者らが立ち上げた「万代にぎわい創造」で、卸売市場の移転に伴う跡地を活用してオープンした。地域では外国人集客の役割も求められる中、改革のきっかけが今年4月に訪れた。豪華客船の「ダイヤモンド・プリンセス」の新潟港への初寄港が決まりアンケートを取った結果、約3800人中1000人ほどがピアBandaiへの訪問を希望した。

そこで各施設にスマホ決済の「PayPay(ペイペイ)」を導入。英語、中国語、韓国語のパンフレットも作成し体制を整えた。ピアBandaiの広報を担当するオフィスワン(新潟市)の樋口十旨張社長は「急ピッチの整備だったが、何とか寄港に間に合わせられた」と話す。

次の大きな目標は20年の東京五輪・パラリンピックだ。市内の有力な観光地で花街文化が残る古町地区、豪農の屋敷がある「北方文化博物館」などと連携した観光企画に20年4月から本格着手する。「ライバルは多いが、訪日客に新潟を東京以外の『もう一つ』に選んでもらう競争に勝ちたい」と樋口氏は意気込む。

(新潟支局 松添亮甫)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2019年11月18日付]

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