「三方よし」の近江商人、功罪両面で読み解く歴史
商道徳と負の側面、先祖の足跡たどる 駒井正一
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売り手よし、買い手よし、世間よしの「三方よし」で知られる近江商人は、取引相手だけでなく社会の幸せを追い求める経営理念を持っていた。てんびん棒の行商でスタートし、商道徳や信用を大切にして財を築くと、各地で治山治水や道路、橋を作って貢献したというイメージが定着しているだろう。
伊藤忠商事や高島屋など近江出身の企業は少なくない。しかし、すべての近江商人が道義心にあふれていたわけではない。先祖の足跡をたどって約35年前に...
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