アマゾンの1万円防犯カメラ スマホで確認、置き配安心
奔流eビジネス (スクラムベンチャーズ マーケティングVP 三浦茜氏)

コラム(ビジネス)
2019/11/15付
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NIKKEI MJ

防犯カメラのブリンクは100ドルで導入できる

防犯カメラのブリンクは100ドルで導入できる

少々大げさだが、ついに透視能力を手に入れた気がした。手のひらの上で、遠く離れた家の玄関の様子が見られる。映画などに登場する超能力と遜色ない気がする。

アマゾンが販売する防犯カメラの「Blink XT2」(ブリンク)を購入した。ブリンクはアマゾンが2017年に9千万ドル(約98億円)で買収したスタートアップで、商品名はそのままに現在はアマゾン傘下のブランドとして販売されている。

玄関につけたカメラの映像がいつでもスマホで見られる

玄関につけたカメラの映像がいつでもスマホで見られる

防犯カメラというと、警備会社と連動していて非常に高額なイメージがある。しかしブリンクはたったの100ドルで導入できる。屋内外で使える小型カメラと中継機、クラウドのフリーストレージのセットで、家のWi-Fiにつなげば昼夜問わずスマートフォンアプリからカメラの映像が見られる。カメラは単3電池2本で2年間駆動、月額料金はかからない。内蔵スピーカーで会話もできる。

我が家は玄関のドア上に設置している。動作感知センサーがあり、ドアの前で何か動きがあったらアプリに通知が来るように設定できる。家族の出入りやデリバリー、不審な動きがあった際にスマホで確認できるのだ。

録画は常時ではなく、動きを感知した時だけ5秒間記録する。使い始めて2カ月以上たつが、容量には余裕がある。2~3カ月分の動画が保存されていれば十分だろう。

ブリンクは非常に安価なので、友人は子供部屋やリビングにも設置しているという。中継器は1台あれば良く、カメラは90ドルで買い足せる。外出時に家の中の様子も確認できる。透視能力が100ドルで、追加の目が90ドルで買える時代になったのだと感じた。

みうら・あかね 上智大学卒。サンフランシスコ在住。米国でアーリーステージのスタートアップ投資を行うスクラム・ベンチャーズ マーケティングVP。

みうら・あかね 上智大学卒。サンフランシスコ在住。米国でアーリーステージのスタートアップ投資を行うスクラム・ベンチャーズ マーケティングVP。

なぜアマゾンが防犯カメラを傘下に収めたのか、と思うかもしれない。米国では置き配が当たり前なので、宅配物の盗難被害は非常に多い。アマゾンは盗難された商品について保証ポリシーを明確にしていないが、多くの人が同一商品の再配達や返金を受けている。盗難を防げれば、アマゾンにとってコストでもサービス改善でもよい影響があると思われる。

またアマゾンは「アマゾンキー」というスマートロックを活用し、家の中まで配送するサービスを提供している。その際もブリンクが設置されていれば安心して家の中に配達を頼める。

プライム会員には先日、アマゾンフレッシュの会費が無料となった。生鮮食料品を注文するなら、家の前に放置ではなく冷蔵庫に入れてほしい。家の中にブリンクがあれば安心して頼める。生鮮食料品の配達を頼む頻度も増え、要冷蔵の品を注文した際に家で待っているのはおっくうな気も出てきた。冷蔵庫の前にも90ドルでカメラを買い足せば問題ないじゃないか、そんな気持ちになってくる。

17年にアマゾンキーが発表された際には、ここまで必要なのかと思った。しかしブリンクを使い始めると、家の中に配送してもらった方が安心な気がしてくる。一度便利を味わったら、不便には戻れない。アマゾンに依存していく自分が恐ろしい(けど止められない)。

[日経MJ2019年11月15日付]

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