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タワマンよりリノベ団地 高コスパで映え若者魅了

ミレニアルスタイル

NIKKEI MJ

最近「団地に住みたい」という声をよく耳にするようになり、驚いた。「インスタ映えするリノベ(リノベーション)団地がいっぱいあるんですよ~」と29歳の女性が差し出したスマホを覗くと、モダンなスタイルに改修された物件がたくさん映っている。

中古マンションをモダンなスタイルに改修した物件が増えている

高度経済成長期に次々と建てられた団地は住民の高齢化が進み、孤独死などの問題も浮上する。だがミレニアル世代は団地に対する偏見はない。リノベされた団地は「おしゃれな高コスパ物件」に見えるらしい。

中でも人気が高いのは都市再生機構が良品計画とコラボしてリノベした「MUJI×UR」。全国に50ほどあり、白と木目を基調とした美しい内装だ。最近結婚した30歳の女性は、「ずっとこの物件を狙っているけれど、なかなか空きが出ない」とぼやく。

神奈川県座間市のホシノタニ団地も「映える」団地としてよく名前が上がる。小田急電鉄が数年前に築50年超の老朽化が進んだ社宅をリノベした物件だ。価格は40平方メートル弱で月7万円程度。インスタ上の写真には「リノベキラキラ団地」とのコメントも付く。

2016年に住宅メーカー8社が合同で運営するサイト「イエノミカタ」とオールアバウトが共同実施した調査によると、10年以上前に住宅を購入した全国の55~59歳の男性1000人のうち、家づくりのきっかけが「新築一戸建てへの憧れ」だった人が31.1%と最多だった。

一方で、将来的に住宅購入を検討している25~29歳の未婚男女309人では「自分好みの空間が欲しい」(38.8%)が最も高く、新築一戸建てへの憧れ(35.9%)を上回った。

親世代に根強かった「新築信仰」は薄れ、ミレニアルズは自分らしい空間を求めているのがわかる。「手作りの料理などインスタにあげる写真を撮るときに家の中が写り込む。だから家もおしゃれにしたい」と29歳の女性は説明する。

こうした動きを後押しするように、「リノべる」など若者好みのリノベーションを手がける企業が次々と現れ、今や空前のリノベブーム。結婚して子育てを始めた28歳の女性は、中古マンションを購入して、天井をなくしてコンクリートやダクトがむきだしになったデザインにした。人気のカフェ「ブルーボトルコーヒー」風なのだという。

団地人気にはもう一つの理由がある。例えばホシノタニ団地はフリーマーケットなどのイベントが頻繁に開かれる。「マルシェがそばにある生活に憧れる」と25歳の女性は言う。

かつての自治会のような強固な組織ではなく、同世代とのゆるいネットワークが感じられるのがポイントだという。最近のリノベ団地は若い世代が多く、交流を期待する声が多く上がる。

「タワマンに憧れは全くありません」と26歳の女性はバッサリ。ミレニアルズは家を自分好みにしたい、その過程を楽しみたいと考えている。

(ブームプランニング代表 中村泰子)

[日経MJ2019年11月15日付]

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