春秋

2019/11/12付
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米国の西海岸で暮らす友人夫婦から過日、子育ての近況を伝える便りが届いた。発達障害の10代の長男が、地域の教会でドラムを演奏し、喝采を浴びる写真とともに。「親のほうが緊張しましたが、見事にやり遂げてくれました」。成長を慈しむ親心が、行間ににじむ。

▼友人の長男は、対人関係を築くのが苦手で、幼少期から社会への参加を促すセラピーを受けてきた。一定額を超える療育費は、勤務先の企業が従業員の福利厚生で加入する医療保険で支払われるのだという。障害は、病気ではない。が、多くの州が自閉症児などへの支援プログラムに保険の給付が可能な制度を整えている。

▼米国の子ども向け番組「セサミストリート」が、1969年11月10日の放送開始から50年を迎えた。きのうNHKが、ニューヨークで開いた記念イベントの様子を、全国ニュースで報じていた。150以上の国や地域で愛されてきた番組に近年、新しいキャラクターが登場した。ジュリアという女の子。彼女は、自閉症だ。

▼友人によると、過去の放送でジュリアが初対面の人と握手をためらう場面があった。相手は彼女に嫌われてしまった、と悲しむ。でも他の仲間が、それは人としての個性なのだと説明した。勇気づけられる思いがしたという。人々の共感が、長寿番組を支えてきたのだろう。分断が伝えられる米社会の別の断面を垣間見る。

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