ECサイト内の検索支えるZETA、天候や広告も反映
戦略ネットBiz

コラム(ビジネス)
2019/10/30付
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NIKKEI MJ

電子商取引(EC)市場の拡大が続くなか、サイト内検索エンジンを手がけるZETA(ゼータ、東京・世田谷)の存在感が増している。ビームスやベイクルーズといったファッション系のほか、イトーヨーカ堂やヤマダ電機のECも採用。求める商品に素早くたどりつける点が評価されている。流通各社のネット戦略を支える黒子としての定着を図る。

ビームスなどのサイトにもゼータの検索エンジンが導入されている

ビームスなどのサイトにもゼータの検索エンジンが導入されている

ネット検索エンジンとしては米グーグルが圧倒的なシェアを誇るが、ZETAが主戦場とするのはECサイト内の商品検索機能だ。検索エンジン「ZETA SEARCH(ゼータサーチ)」など同社のサービスを導入するサイトの年間流通額をあわせると1兆7655億円で、「大手ECの3割を占める」(同社)。2019年もゲオ(名古屋市)が新たに導入した。

ECサイトで商品の検索結果を示す際、単に検索キーワードと関連性の高いものを表示するだけでは不十分だ。いかに顧客のニーズや環境に応じた最適な商品をスムーズに並べられるかが焦点となる。

ZETAが14年に実施した調査によると、検索してもECで商品が見つからなかったときの行動として、59%が「諦めて別のECサイトで購入」と回答、「根気よく検索を続ける」と答えた人の割合はわずか5%だった。欲しい商品がなかなか表示されないことによる機会損失に着目し、ゼータサーチは商品の絞り込みや並び替え設定を柔軟にしている。

例えばキーワードを入力するときに最初の文字を入力するだけで候補の文字列を表示する「サジェスト」や、商品のジャンルや求める価格に応じて対象を狭める「ドリルダウン式絞り込み」といった機能を提供して使いやすくしている。イトーヨーカドーのネットスーパーでは、天候や広告の品といった要素を踏まえて商品の検索結果を示す仕様になっている。

ZETAの強みは検索の速さだ。「他社では30秒~1分ほどかかるような複雑な検索条件でもすぐに処理できる」(山崎徳之社長)。商品のレコメンド機能などとの組み合わせを提案し、顧客のサイトを訪問した利用者が商品を買う割合を高める。

ZETAは山崎社長が06年に「ゼロスタートコミュニケーションズ」として創業した。19年5月期の売上高は7億8千万円で前の期から21%増え、過去最高を記録した。

ZETAが新たに開発しているのは実店舗とECをつなぐ「ZETA CLICK(ゼータクリック)」というサービスだ。消費者や時間に応じて異なるページに誘導するQRコードを、店頭やカタログに提供する。

通常、特定のQRコードのリンク先は固定されるが、ゼータクリックでは顧客の属性やアクセス日時に応じて異なる結果を表示できる。需給や繁閑で価格を変える「ダイナミックプライシング」にも使えるとみる。

店頭導入に向けて一部の顧客と詳細を詰めており、20年の本格展開をめざす。リアルとネットを融合した存在とみなす「OMO(オンライン・マージ・オフライン)」の潮流を捉えられるか。ZETAの挑戦は、顧客である流通各社の今後の戦略を占う試金石でもある。

(花田亮輔)

[日経MJ2019年10月30日付]

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