春秋

2019/10/25付
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イングランド、ウェールズ、スコットランド……。ラグビーのワールドカップ(W杯)をみていて今更ながら不可解な気分を覚えるのは、英国からいくつも代表チームが出ていることである。サッカーのW杯でも同様で、発祥の地ならではの特権といえるかもしれない。

▼ただ、北アイルランドの代表チームのあり方はラグビーとサッカーで随分と違う。ラグビーでは、独立国であるアイルランド共和国の代表と統一チーム「アイルランド」を組んでいる。対してサッカーは別々の代表チームである。ことほどさように、というべきか。北アイルランドにからんだ線引きは一筋縄ではいかない。

▼周知のとおり、英国の欧州連合(EU)離脱では北アイルランドの位置づけが最大の焦点となってきた。ボリス・ジョンソン首相は最近、貿易面でなかば外国あつかいする案を打ち出してEU側と合意した。が、英議会の反応は微妙である。2度の延期を経て設定された期限どおり今月末に離脱するのか、なお見通せない。

▼北アイルランドをめぐっては、凄惨なテロと弾圧が繰り返された果てに和平に至った歴史がある。EUとの合意案は「歴史を巻き戻すことになるのでは」といった不安の声が出ている。離脱問題はまた、スコットランドで独立機運の再燃を招いている。ラガーマンたちの疾走もさることながら英国の迷走から目が離せない。

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