「結婚式なら生花」は古い? 中古品もOK 合理性優先
ミレニアルスタイル

コラム(ビジネス)
2019/10/18付
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NIKKEI MJ

木々が色づき、涼しくなった10月、ミレニアルズは結婚式ラッシュのシーズンを迎える。春は花粉症だし、梅雨や夏の暑いさかり、極寒の冬は避けたいということで、秋の結婚式の人気が高い。

ブーケは生花にこだわらない

ブーケは生花にこだわらない

続々とインスタグラムにあげられるミレニアルズの結婚式をみて、会場装花に驚いた。茶色っぽく、乾燥した花材のオンパレードなのだ。ラベンダーやダリアのドライフラワーに、ススキや松ぼっくり、中には流木まで。結婚式といえば生花を使うのが常識だと思っていたが、今は事情が違うようである。

お祝いなのに乾燥していていいの? と思わずツッコミたくなるが、「おしゃれを追求すると、ドライでナチュラルな雰囲気の装花になる」と、来年、結婚式を控える25歳の女性は説明する。写真映りを最重要視するミレニアルズは季節感や洗練されたモダンなデザインに傾き、結果として秋ならではの乾燥した花材を多用することになるという。

デザインが変わったのは装花だけではない。ブーケもリース型が人気で、バッグのように腕にかけて使う。ドレスもボリュームたっぷりのプリンセスラインは敬遠され、控えめなAラインやストンとしたシルエットのエンパイアが好まれる。

中にはドレスにコンバースのスニーカーをコーディネートする猛者も。私服と同じ感覚で「抜け感」を出すことで、雑誌のウエディング特集を飾るモデルのような写真が撮れるとのもくろみだ。ここまでするのはごく一部だが、「お姫様」風にゴテゴテと飾り立てるのは、時代遅れ。「自分が目立ち過ぎるのは嫌。さらっとやりたい」と29歳の女性は語る。

各自が自由に結婚式をデザインしているのが印象的で、オリジナリティーに溢れる。「自分らしさ」を大切にするミレニアルズらしいスタイルだと感じる。

使い終わった結婚式グッズはメルカリで売買

使い終わった結婚式グッズはメルカリで売買

デザイン以上にミレニアルズらしさを実感したのは、ドレスやベールの中古品をアプリなどで購入するのが定番化していることだ。

インスタには結婚式を終えた「卒花」たちによる「#ドレスお譲り」の投稿があふれている。自身のドレスの試着写真から始まり、準備の過程や当日のおしゃれな式場の様子までドキュメント形式でリポートを続け、最後に「お譲り」の投稿をする。もちろん無料ではなく、購入価格から割り引いた額で譲る。

フリマアプリ「メルカリ」にも、ウエディングドレスやベール、靴、ウエルカムスペースを彩る小物など、結婚式関連の中古グッズが数多く出品されている。最近ではハネムーンや婚前旅行で前撮りや後撮りを楽しむ人も増えており、撮影用ドレスは特にメルカリの使用率が高いのだという。

一生に1度の結婚式で中古品を身につけることに抵抗はないのかと思うが、「レンタルドレスと変わらない」(28歳女性)「浮いたお金を新婚旅行や新居に回したい」(26歳女性)とのこと。

これまでに何人の花嫁が着用したかセカンドオーナーやサードオーナー等明記してあるほか、クリーニング済みかなど細かいこともコメント一つで出品者に確認できる。

とことん合理的に考え無駄を切り詰める。一方で、こだわる部分は徹底的に手をかけ、自分らしさを出す。結婚式には、ミレニアルズの価値観が凝縮されていると思う。

(ブームプランニング代表 中村泰子)

[日経MJ2019年10月18日付]

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