春秋

2019/10/17付
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今田健太郎さん(43)が広島県東広島市で弁護士事務所を開いたとき、ふるさとは弁護士がゼロないし一人だけの「ゼロワン地域」だった。相続などの心配ごとがあっても、お年寄りや障害者は遠くに出かけられない。身近な相談者であろうとの思いで市内で開業した。

▼それから11年。広島土砂災害と西日本豪雨の2度の災害を経験し、仕事のかたわら日弁連や広島弁護士会をとおして復興支援にかかわってきた。先日は東日本をおそった台風19号の被災者に向け「水害直後 弁護士からの10か条」を交流サイトで発信した。広島で「悔し涙を流すことになった」たくさんの人を知るからだ。

▼たとえば、家の修理はいそがず考えようと呼びかける。災害救助法の応急修理の制度は使うと原則、仮設住宅に入れないためだ。正しい情報を知らずにあとで悔やんだり、こまかい手続きに戸惑ったりしないように、大事なことをわかりやすく、10項目だけ。そのうえで「専門家をたよってほしい」とアドバイスしている。

▼広島では過去の教訓をいかし、弁護士が被災者のもとに出向く仕組みもできた。「こんな制度があると一方的に流すだけではだめ。弁護士なら個別の事情に応じて相談にのれる」。かつてのゼロワン地域でいまも被災者の相談をうける今田さんは、10か条をこう締めくくる。「生活再建はできます! まずはお体を大切に」

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