春秋

2019/10/12付
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第三者。手元の辞書を引くと、「当事者以外の人」などとある。実態を調査し検証する「第三者委員会」という形で、この言葉をニュースでひんぱんに目にするようになった。登場する場面は企業や役所の不祥事、学校やスポーツ団体のいじめ、パワハラと実に幅広い。

関西電力の経営陣が、原発のある町の元助役から金品を受け取った問題でも、やはり登場した。乱立気味の第三者委のなかには独立性に疑念を持たれる事例も散見される。証券業界でいう第三者割当増資の場合、「会社となんらかの関係がある特定の者」が第三者となる。まさかこちらと混同する人がいるとは思えないが。

▼社会の指弾を受け、さすがに関電は元検事総長ら法曹界の重鎮を委員に並べた。これが事態収拾の方便と批判されるか否かは、ひとえに調査の結果次第であろう。第三者委が出す報告書に対して、弁護士や大学教授が吟味し格付けする取り組みなどもある。委員会設置の是非ではなく、あり方が問われる時代に入っている。

▼そもそも関電の問題では、元助役らから聞き取りをせずに済ませた社内調査の報告を受けた後、監査役会は特段のアクションを起こしていなかった。こうなると第三者委員会をチェックする以前にまず、監査役を監査する必要がありそうだ。事の発端を考えれば、取締役の行動を取り締まる組織も……きりのない話である。

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