成功を導く「志勇礼誠」
SmartTimes サムライインキュベート創業者 代表取締役 共同経営パートナー 榊原健太郎氏

コラム(ビジネス)
2019/10/9付
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起業家を支援していると最もよく聞かれる質問が「どんな起業家が成功するか」だ。これを伝えたい。

1974年生まれ、関西大学卒。大手医療機器メーカーを経て2000年アクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)入社。08年にIT起業家の育成支援をするサムライインキュベートを創業。

1974年生まれ、関西大学卒。大手医療機器メーカーを経て2000年アクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)入社。08年にIT起業家の育成支援をするサムライインキュベートを創業。

弊社は新たな行動規範を「志勇礼誠(しゆうれいせい)」という四文字熟語にした。はるかに高い「志」を持ち、世のためになることへ「勇」ましく率先して取り組み、あらゆる人に「礼」を尽くし、一点の曇りもない「誠」の気持ちで最後まで成し遂げるという意味だ。この言葉は、起業家が成功するにも大事なマインドだと考えている。

まずは志。これまでの日本の起業家は、残念ながら「世界をどう変えたいか」を本気で考えている人が少ないように感じている。

日本のマーケットの中でどうしたいかという考えが多く、日本での新規株式公開(IPO)、10億円以上でのM&Aという目標を聞くことが多い。一つのマイルストーンだが、そこを目標に掲げてしまうと志の上限を自分で決めてしまうことになり、それ以上になることができない。また企業規模にかかわらず、志が高く思いが熱い人は多くの人を巻き込む力がある。

次に勇は、人々が敬遠しているが世の中のためになることに率先して取り組むことだ。弊社の支援先も山での遭難の解決やネット上の危険から子供を守るサービス、建築職人の悩み解決、やむを得ず駆除される野生動物の肉の流通など、世の中の課題を解決するものが多い。これらに真摯に対峙している起業家は大きく成功する確率が高いと感じている。人がこれまで取り組んでこなかった分野に注目して行動を起こすと、そこにはチャンスがある。

礼は、経歴や年齢などに関係なく感謝の気持ちを忘れないこと。相手に寄り添えないのは自分が未熟で相手の気持ちを想像できないだけだ。起業家にとって一番大切なのはユーザー視点に立つことだ。これができなくては事業が大きく成功することはない。今の世界を創ってくれた人にも感謝し、これから生まれてくる人にどんな豊かな未来を創って恩返しができるのかを考えられるとベストだ。

最後に誠。始めたり言ったりして終わりにせず「やり抜く」ことだ。高い志を持って勇ましく取り組んでも、やり抜かずに途中で終えれば大きな成功はない。社内外やプライベートでも小さな約束を守ることでもあり、ビジネスであればその積み重ねが毎月・毎年の売り上げやビジョンの達成につながる。それができないと達成するために10年単位で遅れていくものだ。

私自身も人生を全うする中で自分自身の「志勇礼誠」の度合いを上げて、弊社のビジョン「全人類がそれぞれの幸福で満たされる世界に」を実現したい。

起業家を目指す人も、すでに起業した人も「志勇礼誠」という言葉を頭の片隅においてほしい。そして迷った時はこの言葉を思い出して行動し、世の中を豊かに幸福にしてほしい。

[日経産業新聞2019年10月9日付]

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