位置ゲームに見る5Gの可能性 渋谷で1000人同時連携!?
奔流eビジネス (D4DR社長 藤元健太郎氏)

2019/10/4付
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NIKKEI MJ

9月12日にスタートした「ドラゴンクエストウォーク」が早々に大ヒットとなっており、筆者も早速始めてみた。「ポケモンGO」と同様に位置情報と連動したゲームであり、こうした現実世界と融合したゲームはAR(拡張現実)ゲームと呼ばれる。ポケモンGOを生み出した米ナイアンティックも先日、世界で人気の「ハリー・ポッター」をテーマにしたゲームを第2弾としてリリースしている。

ドラゴンクエストウォークはサービス開始早々にヒットになっている

ドラゴンクエストウォークはサービス開始早々にヒットになっている

ドラクエはファミコン時代からの長年にわたる人気ゲームだけに、おなじみのパーティーを育てながらモンスターを倒してクエストを進行させるゲーム性を今回も取り入れている。一方で、モンスターを集めたり街中に現れたメガモンスターをみんなで倒したりというあたりは、ポケモンGOに似た部分も多い。

今回はドラクエの開発元のスクウェア・エニックスだけでなく、ガラケー時代に位置情報ゲームでヒットしたコロプラも開発に参加している。そのため、地方のお土産を集めるというかつてのコロプラの要素もあるのが楽しい。

例えば東京だと実際に高尾山の山頂まで登らないと入手できないお土産アイテムがある。お土産をコンプリートするには全国各地を動き回らないといけないのだ。

多くの人を移動させる力をゲームが有していることを実証したのもコロプラだった。地方の小さな土産店に全国からユーザーが押し寄せ、バスツアーも組まれた。ARゲームは地域と連動したイベントを企画しやすく、地方創生での活用も期待される。

ただしARゲームの課題は基本的にユーザーがひとつのゲームしかメインにできない点にある。通常のゲームは時間を切り分けて遊べるが、ARゲームはスマホを起動させたまま移動する。歩きながら複数のゲームを同時に進めるのは難しい。

ふじもと・けんたろう 電気通信大情報理工卒。野村総合研究所を経て99年にフロントライン・ドット・ジェーピーを設立し社長。02年から現職

ふじもと・けんたろう 電気通信大情報理工卒。野村総合研究所を経て99年にフロントライン・ドット・ジェーピーを設立し社長。02年から現職

推測ではあるが、ドラクエウォークが始まったことでポケモンGOの利用が減ったのではないだろうか。開発するゲーム会社としてはシェア争いが大変かもしれない。

携帯電話の技術が次世代通信規格「5G」になることでどんな新しいサービスが登場するかの議論も盛んになっており、ARゲームは有望ジャンルのひとつだ。端末から多くの情報を収集して、サーバー側で処理してリアルタイムで反応する必要があるため、5Gの低遅延性がとても重要になる。

さらに例えば渋谷などで大量の人が同時にメガモンスターを倒す時に、1千人など多くが参加し参加者同士でリアルタイムで連携を取りながらゲームを進行させるには、5Gの技術が重要になる。モンスターが3次元でハチ公前に登場したり、自分の身体の動きを仮想空間に投影したりといった、MR(複合現実)の要素も期待される。

その場合はスマホにとどまらず、メガネ型などウエアラブル機器のセンサーと組み合わせたものも出るだろう。ヒットしたゲームに新たなデバイスを組み合わせて一定のユーザーが街中に一度に登場することで、恥ずかしさなどのバリアーも一気に解消される。5Gの新しいサービス開発を引っ張っていく可能性としてのARゲームに今後も期待したい。

[日経MJ2019年10月4日付]

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