経営者が交代する意義
SmartTimes C Channel代表取締役 森川亮氏

コラム(ビジネス)
2019/10/2付
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今回は経営者交代について書きたい。私が経営者になったのはハンゲームジャパンからNHN Japanになるときだった。年齢的には35歳と、ベンチャー企業としては早くも遅くもないかもしれない。

1989年筑波大卒。ソニーなどを経て2003年ハンゲームジャパン(現LINE=ライン)入社、07年社長。15年3月退任、4月C Channelを設立し、代表取締役に就任。

1989年筑波大卒。ソニーなどを経て2003年ハンゲームジャパン(現LINE=ライン)入社、07年社長。15年3月退任、4月C Channelを設立し、代表取締役に就任。

日本法人の創業社長は韓国人で、いずれ日本人に任せたいと話していた。さらに日本法人は韓国とは別のビジネスモデルとサービスモデルで成長し、ほぼ独立していた。

初代社長は新規事業を立ち上げる才覚がある方で、色々なアイデアを一緒に形にしてきた。創業者はグローバルのゲームの責任者として韓国におり、私が実質的に日本の代表だった。だから社長になる際には大きな不安はなかったが、実際には単なる代表と社長とは大きく違うことを深く実感した。

事業やサービスの責任、そして社員や家族への責任が肩に乗ってきた。

そして社長になりライブドアのグループ入りやLINEの誕生と成長など様々な経験をして、次の社長にバトンタッチをする経験もした。

LINEの退任については、ある程度やりきって次の能力ある経営者に任せた方が成長するだろうと思っていた。ゲームやスタンプ、EC(電子商取引)で成長したところから広告などでさらに成長させるタイミングだったが、私の専門分野ではなかったからだ。

日本では成功しているときに退任すると「何かある」と思われがちだ。しかし良いときだからこそ辞められると思っていた。

反対に、うまくいっているときほど次の経営者は大変でもある。少しでも数字が下がると「前任者の方が良かった」と言われるし、ある程度は悪い状態の方が立て直しどころは満載なのだから。

最近、若い起業家と議論する中でバイアウトを目標として起業するという起業家を多く見かける。しかし目標がバイアウトというのは、どうなのだろう。やはり起業は、ミッションやビジョンがあってこそではないだろうか。

こう思って苦言を呈することも多い。しかし実際に日本の現状を考えると、大企業からイノベーションがなかなか起こらないことも事実だ。

むしろ起業家が大企業にバイアウトして、大企業の資源でさらなる成長を目指すというのが次の日本のイノベーションをリードする1つの方法なのではないか。そんなふうに考えることもある。

変化が速い時代だから、1つの戦略や1つのコンセプトで成長し続けることには限界がある。そのためには経営者の考え方が変わったり、経営者そのものが変わったりすることも大事になってくるのだろう。

そんな変化を続けながら、昭和の名経営者を超えるような経営者が日本からたくさん出てくることを期待している。

[日経産業新聞2019年10月2日付]

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