LINE MUSIC、10代に人気 友達の趣味知ってライブへ
読み解き 今コレ!アプリ フラー最高マーケティング責任者、杉山信弘氏

2019/10/2付
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NIKKEI MJ

「CDが売れない時代」と言われて久しいが、若者の間で新しい音楽の聴き方が広まっている。フラー(千葉県柏市)のアプリ分析ツール「AppApe(アップエイプ)」でアプリ配信「グーグルプレイ」の8月の利用動向を調べたところ、10代が最も使っていた音楽プレーヤーアプリは「LINE MUSIC」だった。

LINE MUSICの利用者を年代別に見ると、10代の比率が3割を超える。LINE本体では10代は15%に満たず、音楽アプリは若者にとがった人気があることがわかる。アンドロイドの利用者全体では「Google Play Music」の方が多く、年代に応じて差が生じている。

LINE MUSICの人気の背景には2つの理由がある。1つ目は学生に限定した割引制度だ。通常960円のプレミアムプランを学生向けには半額の480円で提供している。収入が少ない学生にはメリットが大きい。さらに現在は3カ月間、有料プランが無償で利用できる。

2つ目はLINEアカウントとの密な連携だ。LINEには、プロフィル内にBGMを設置する機能があり、LINE MUSICから選ぶ形になっている。この機能は無料ユーザーも使える。BGMを設定した利用者のプロフィルを閲覧すると、LINE MUSICユーザーの場合はプロフィルで設定した楽曲が再生される。LINEの利用者8100万人がBGMを設定するたびに、LINE MUSICへの導線が作られるという強力な仕組みだ。

LINE MUSICは仲間に曲を薦められる

LINE MUSICは仲間に曲を薦められる

フレンズチョイスという機能もある。LINEでの「友だち」がLINE MUSICで聴いた曲をアプリ内で薦められ、自分のコミュニティーで人気の楽曲がすぐにわかる。流行の移り変わりが早い10代にとってはとても便利な機能だ。筆者も使ってみたが、流行に敏感な友人のiPodを見せてもらい新しいアーティストを知った時のような体験だった。

BGMとフレンズチョイスの2つの機能は音楽の聴き方の変化にうまく対応している。CDの販売枚数が年々減ってライブやコンサートが活況になるなか、音楽は聴くものではなく体験するものになっている。ミュージックフェスティバルやライブに一緒に行く「パートナー探し」のニーズは高まっている。

フレンズチョイスでは「友だち」が聴いている音楽を知って、コミュニティー内の流行の全体感をとらえられる。皆が同じコンテンツと接触しなくなった時代だからこその把握の仕方だ。ライブに行く相手を探すにはBGMで自分と似たアーティストを設定している「友だち」に声をかければ良い。相手の趣味と合いやすくなるし、誘う理由にもなるだろう。

コミュニティーと流行の細分化にうまく適応していることがLINE MUSICの人気の理由である。

[日経MJ2019年10月2日付]

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