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春秋

「外電によれば」「~と外電は伝えている」。新聞やテレビには、しばしば「外電」という言葉が登場する。海外発のニュースのことだ。もとは「外国電報」の略だから、生まれたのは明治の昔だろう。瞬時に情報が飛びかうデジタル時代に、なぜか命脈を保っている。

▼昨今「外電」をにぎわすのは、世界のあちこちで沸く若い世代の「怒り」だ。欧米を中心に地球温暖化防止を叫ぶデモが盛り上がり、ニューヨークの国連本部では環境活動家の16歳少女が危機に鈍感な指導者たちを糾弾した。中国の圧力が強まる香港では、3カ月以上にわたって学生たちが中心になった民主化運動が続く。

▼さてニッポンはと見わたせば、3年前に「18歳選挙権」が導入されたのに若者の投票率は低い。高校生の政治活動も放課後や休日は容認されたはずだが、校則で規制している学校も少なくない。いやそれどころか、茶色い地毛を黒く染めさせたり、下着の色まで指定したりというブラック校則がはびこっている始末である。

▼世界の若者の行動に、わが国の大人たちも好意的なようだ。しかしそれは、海の向こうの出来事をほほうっと眺めやる感覚と紙一重ではないか。「外電」の話だという気分ではないか。校則や世間の同調圧力に縛られた本邦の若者が立ち上がり、国内ニュースになったとき、にわかに眉をひそめる大人がいるかもしれない。

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