春秋

春秋
2019/9/22付
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突然だが、ここでクイズ。伊東四朗さん(82)、杉良太郎さん(75)、加山雄三さん(82)。この3人の共通点は何か。最近、ドラマで共演した?同じ旅番組のリポーター?答えは、いずれも運転免許を返納した方々。伊東さんは3年前、残る2人は今年、踏み切った。

▼「事故は取り返しがつかない」「ある意味、ホッとした」など動機や感想はさまざまだが、自らの衰えを自覚し、まわりに迷惑をかける前に、との決断に敬意を表したい。折しも21日から始まった「秋の全国交通安全運動」は重点の2番目に「高齢運転者の交通事故防止」を掲げた。社会問題化しているといってよかろう。

▼統計でも、免許保有人口10万人当たりの死亡事故の件数は70歳以降で増え始め、85歳以上が16.3。どの世代より突出する。車両の単独事故が多いのも特徴だ。免許の返納者は昨年42万1千人あまり。一方で、運転をやめた高齢者は要介護となる可能性が2倍になる、との研究もあり、扱いの難しさを物語っているようだ。

▼歳月は容赦ない。お笑い出身の名脇役も、目元涼しい美声の主も、海に山に躍動した若大将も老いに誠実に向き合っている。「自分は大丈夫」との過信を捨て、新たな舞台に進む勇気が人生百年時代には必要なのだろう。交通と福祉が入り組むこのテーマは、私たちの社会の課題解決への決意を試しているようにも思える。

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