春秋

春秋
2019/9/21付
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JR内房線の浜野駅(千葉市)を過ぎた辺りから、車窓の向こうにブルーシートをかぶった民家がぽつぽつ見える。さらに下って、千葉県南部の漁師町・鋸南町の安房勝山駅に降り立つとその光景に驚く。駅舎を含め、大半の建物がシートで覆われているような印象だ。

▼台風15号の直撃から間もなく2週間だ。が、鋸南町などでは、停電復旧が来週末まで長引く見通しの世帯も。ビニールハウスの支柱はひしゃげ、漁協の施設は外壁が飛ばされて無残な姿をさらす。漁港に近い住宅地で、割れた屋根瓦やガラスを片付けていた女性は、「壁や床にカビが浮いてきた」と疲れ切った様子だった。

▼千葉県の自治体は、多様性に富む。65歳以上の高齢化率をみると、都心に近い浦安市は17.2%。全国的にも、最も若い市のひとつだ。一方、鋸南町は46.8%。傷ついた海辺の集落を巡り歩くと、「台風の被害で復旧作業中です」と手書きの貼り紙で休業をわびる介護事業所があった。お年寄りへの目配りが欠かせない。

▼きょうからの3連休。風雨への備えで、さらなる人手が要るだろう。でも、災害ボランティアの受け入れは、県内居住者に限ると告知する自治体がある。過去に県外者が常識外れのトラブルを起こした例もあり、半ばマニュアル化しつつあるようだ。経験豊富な人材を生かす手立てはないものか。知恵を絞りたいところだ。

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