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ブランドより自分らしさ センスに自信、ノリを形に

ミレニアルスタイル

NIKKEI MJ

「これ、友達とおそろいなんです!」。つい最近、20代半ばの知人女性が得意げに見せてくれたのは、ポップな柄のTシャツ。週末にイベントで友人とDJをするのにあわせて、お気に入りのレコードジャケットをプリントしたという。

彼女が使ったのはTシャツのプリントサービスを手がける東京・渋谷の「ARTON」だ。ずらりと並ぶTシャツの中から1枚選び、プリントしたい柄のデジタルデータを渡し、パソコンの画面上で柄の位置を確認すれば、わずか5分ほどで完成する。価格も1着2500円、2着で4500円とお手ごろだ。

ミレニアルズの間で手軽なオーダーメイドやハンドメイドが流行している。背景にあるのは「自分の世界観作り」へのこだわりだ。自分をコーディネートするセンスへの自信と、自分らしさを表現できるオリジナルのものを持ちたいという欲求だろう。

調査会社リスキーブランドが実施した調査「MINDVOICE」によると、「デザインとかアートのセンスが高いと回りから評価されていると思う」とする25~39歳は2019年に30.1%で、10年前から7.4ポイント増加。40~64歳の21.8%を大きく上回る。

一方、「ステイタスシンボルを身につけるのは知性のない人の特徴だと思う」とする25~39歳は19年で33.1%。こちらも10年前から10.4ポイント増えた。「ブランドよりも自分が好き」という意識がはっきりと伺える。

経済産業省が3月に発表した「消費者理解に基づく消費経済市場の活性化」研究会の報告書でも、30年に想定される消費行動3つのうち1つを「自律的消費」と命名。「オーダーメイド」「カスタマイズ」などをキーワードに挙げている。

Tシャツでもこだわり派は、手軽なインクジェット印刷ではなく、色持ちや発色の良いシルクスクリーンを選ぶ。気鋭の女性クリエイター「TENUSIS」による出張シルクスクリーン教室の様子が、おしゃれ女子たちによって投稿されている。好きなデザインと色を選ぶシステムだ。

オリジナルのアクセサリーや食器も人気だ。最近、京都に旅行するミレニアル女性の間で外せない場所となっているのが、陶芸体験ができる「瑞光窯」。手びねり、絵付け、電動ろくろからコースが選べて、2000~5000円程度。

「インスタ映え」する紺色の作務衣貸し出しサービスがあるのが心憎い。店側もニーズをよくわかっていて、講師が指導しながらスマホで写真を撮影してくれるという。

アクセサリーでよく聞くのが、鎌倉市にある「gram」のオリジナルリング。きゃしゃなシルバーや真鍮なら1000円程度。カップルでペアリングを作る人が多い。

友人同士でカフェに来たものの、やることがない。そんな時、「渋谷 リング 手づくり」などとハンドメイドのサービスを提供する店を検索をして、その場で予約して出かけたり、「来週行こう!」と約束したりするという。

その時々の感覚や気分をただちに形にしたがり、オリジナルや体験を重視するミレニアルズの間で、こうしたお手軽、簡単、楽にできるサービスがますます広がっていくのは間違いない。

(ブームプランニング代表 中村泰子)

[日経MJ2019年9月20日付]

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