春秋

2019/8/31付
保存
共有
印刷
その他

「休暇明け」「休暇果つ」は、ちょうど今時分の季語だ。「夏期休暇果つ子きりりと髪結ぶ」(橋本夏子)。久々の登校に備え、髪をまとめる少女。ひと夏を経て少し成長したかしら。慈母のまなざしである。どこにでもある風景だ。でも、そんな家庭は本当に幸せだ。

▼最近、「休暇明け」は、子供の自殺が多い特異日として知られるようになった。「学校が始まるのが死ぬほどつらい子は、学校を休んで図書館へいらっしゃい」。4年前のこの時期、図書館司書のツイートに共感の輪が広がった。いじめを苦に亡くなった子供の言葉などを伝える展示会が、きょうまで都内で開かれている。

▼関連イベントで、小学生時代にいじめを体験した若き教育研究者、山崎聡一郎さんが出版した「こども六法」を知った。いじめが時に、犯罪に該当することが平易に説かれている。14歳未満でも少年法により審判に付され、保護処分を受ける。加害者の親は損害賠償責任を負う。帯には「きみを強くする法律の本」とある。

▼いじめで壊された物や、メールの文面などを証拠として残すことも助言する。「きみはけっして悪くありません」「信頼できる大人に相談して」と呼びかける。国は「道徳」を教科に格上げして、いじめ対策とした。が、その効果は疑わしい。きみが発するSOSは、法と正義にかなう。学校教育が見過ごしてきた視座だ。

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]