むらさきのスカートの女 今村夏子著 軽んじられる側へいざなう

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2019/8/31付
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日本経済新聞 朝刊
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小説はいわゆる「主人公」と呼ばれる特定の人物の言動を、語り手が読者に伝える。だがこの「語り手」が何者かということは、通常あまり顧みられない。正体が明示される場合も、たいてい友人や身近な存在であり、それによって語り手の存在は自然に受け入れられる。しかし本書の場合、語られる人物と語り手の関係がとても奇妙なのだ。不気味といってもいい。

「むらさきのスカートの女」と周りで呼ばれている1人の女のことが語ら…

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