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アソビモ、電子書籍を中古販売 複製防ぎ出版社にも収益

戦略ネットBiz

NIKKEI MJ

オンラインゲームなどを手がけるアソビモ(東京・豊島)が電子書籍を中古品として販売できるサービスを9月に始める。ブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用してコンテンツと購入者をひもづけ、複製や改ざんができないように管理するのが特徴だ。出版社にも収益の一部が入る。電子書籍の新しい楽しみ方として活用が広がる可能性がある。

アソビモが電子書籍の中古品販売を始めるのは、ゲームや電子書籍を扱うネットサイト「DiSEL(ディセル)」。同サイト内で新品の電子書籍を購入した場合に、中古品として売買できる。ユーザーは出版社が設定した下限価格を下回らない範囲で自由に価格を設定する。

アソビモはもともとこのサイトで、自社が開発・販売するオンラインRPG「アヴァベルオンライン」などゲームのアイテムを売っている。マーケット内ではゲームで取得したポイントを使い、アイテムなどをユーザー間で売買することもできる。

電子書籍はこのマーケットを通じて新刊の書籍を販売し、ゲームのアイテムと同様に消費者間でも電子書籍を売買できるようにする。ゲームで取得したポイントを使って電子書籍も購入できる。

まずは昭文社やサンマーク出版(東京・新宿)など出版社約50社が参加し、1万冊をそろえる。1年後をめどに30万冊まで取り扱い点数を増やし、年間5億円規模の売上高をめざす方針だ。

電子書籍を中古品として販売できるサービスは珍しい。紙の書籍と異なり、電子書籍ではデータを複製したり内容を書き換えたりする恐れがあるためだ。改ざんが難しいブロックチェーン技術を用いて電子書籍と購入者を関連づけ、中古品として流通できるように工夫を凝らした。

アソビモの近藤克紀社長は「フリマアプリのメルカリなどでリセール市場が盛り上がっているが、これまでの中古品販売では出版社に収益が入らない」と指摘。「アソビモの仕組みでは2次流通でも出版社に一定の収益が入るため、潜在需要は大きい」と話す。ゲームや電子書籍のほか動画の2次流通も検討しており、コンテンツの2次流通プラットフォームとして事業を拡大したい考えだ。

紙の出版物の市場縮小が続く中で、スマートフォンの普及などから電子書籍の市場規模は拡大傾向にある。

出版業界の調査研究機関である出版科学研究所(東京・新宿)によると、2019年1~6月の紙の出版物の市場規模は6371億円と前年同期から5%減った。一方で、電子出版物は1372億円の22%増と大きく伸びている。

またメルカリの台頭でリセール市場も拡大。業界誌「リサイクル通信」によると、リユースの市場規模は17年の約2兆円から25年には3兆2千億円に達する見込みだ。

消費者の間で中古品売買の機運が高まっている点も追い風だ。アソビモが打ち出した電子書籍の中古品販売のビジネスが広がれば、電子書籍の市場のさらなる活性化につながりそうだ。

(篠原英樹)

[日経MJ2019年8月28日付]

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