フェイスブックで個人間取引 「会って売買」米国流
奔流eビジネス (スクラムベンチャーズ マーケティングVP 三浦茜氏)

2019/8/23付
保存
共有
印刷
その他

NIKKEI MJ

売ります買いますといえば、日本ではメルカリが連想されるだろう。国内の月間利用者数は1350万人に拡大。筆者も日本帰国時は利用している。さて米国では、日本にまだ上陸していないフェイスブックマーケットプレイスが話題になる。特にママ友まわりでは、ベビー用品はフェイスブックで買って、不要になったらフェイスブックで売るという話をよく聞く。

入手した玩具もフェイスブックマーケットプレイスで再び売りに出せる

入手した玩具もフェイスブックマーケットプレイスで再び売りに出せる

世界70カ国以上で利用されているCtoC(個人間取引)の場で、昨年の発表では米国では3人に1人が利用しているという。物品だけでなく賃貸物件や仕事も掲示できる。過去に閲覧した商品と似た品が出ると通知があり、気になって見てしまう。

米国版メルカリと大きく異なるのは、郵送ではなく直接会って取引する点だ。そのため商品検索の際には現在地などからの距離を設定する。筆者は通常、15マイル(約24キロ)とし、気軽に車で取りにいける範囲で探している。

新品だと100ドル前後する、ジャンパーという子供が乗る室内玩具を買った際のことを紹介したい。検索すると50件近くがヒットし、価格は20~70ドルだった。米国版メルカリでも探してみると、価格はほぼ同じだが送料が別途17ドルかかるものが多い。大きな玩具なので、送料を気にしなくてよいフェイスブックでの購入を決めた。

家から10分ほどの距離で、30ドルで出品している人に連絡してみる。「購入手続き」のボタンはない。あらかじめ「Is this still available?」というメッセージが入力されていて、Sendボタンを押せばやりとりが始まる。

ここからはフェイスブックメッセンジャーにやりとりが移る。価格を交渉し、受け渡し日を調整して引き取りに行く。出品者の家の場合もあれば近くのスーパーのことも。会って商品をやりとりするカルチャーは、クレイグスリストという米最大の地域サイトから受け継がれるものだ。

支払いは受け渡し時に現金でもよいし、フェイスブックメッセンジャーの送金機能でもできる。過去の経験では8割は現金だった。フェイスブックが打ち出した話題のデジタル通貨「リブラ」を使う日も近いかもしれない。

みうら・あかね 上智大学卒。サンフランシスコ在住。米国でアーリーステージのスタートアップ投資を行うスクラム・ベンチャーズ マーケティングVP。

みうら・あかね 上智大学卒。サンフランシスコ在住。米国でアーリーステージのスタートアップ投資を行うスクラム・ベンチャーズ マーケティングVP。

マーケットプレイスの手数料は無料だ。フェイスブックの収益源は広告で、そのため0ドルでも出品できる。捨てるのは忍びなく、取りに来てくれるなら誰かに使ってほしいという不用品も出品できる。

フェイスブックでも出品の際に郵送対応を選べるが、そうする出品者は少ない。米国は日本のように気軽に発送できず、届くのにも3日以上はかかる。取りにきてもらった方が早いし、楽なのだ。

気づいたのが、出品者の商品への評価の甘さだ。「Good」と書かれた商品でもホコリをかぶっていたり、部品が欠けていたりする。そんなやりとりに慣れ、気軽に出品できるようになった。

利便性はもちろん、フェイスブックだからこその信頼感もあると思う。1人1アカウント、変なことはできないだろう。日々のアップデートをポストするという意味では筆者は少しフェイスブックから遠ざかりつつあったが、マーケットプレイスによって利用頻度が上がっている。

[日経MJ2019年8月23日付]

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]