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ライブ配信、利用者年5割増 ドキドキ魅力・視聴者主役

読み解き 今コレ!アプリ フラー・マーケティングユニット服部卓史氏

NIKKEI MJ

次世代通信規格「5G」が来年に迫る中、ライブ配信サービスが注目されている。フラー(千葉県柏市)のアプリ分析ツール「AppApe(アップエイプ)」によると、ライブ動画を配信・視聴する機能を持ったアプリの利用者がこの1年で5割増えた。

「エンタメ」「ソーシャルネットワーク」カテゴリーで、ライブ動画を配信あるいは視聴機能を持つアプリを選定。月間利用者数(アンドロイド・iOS合算)を推計し、上位10アプリを6月時点で昨年と比較した。10アプリを合わせると295万人から447万人に伸びている。

上位に入ったアプリは、それぞれ違う利用者を取り込んでいる。2位に大差をつける最大手がモイ(東京・千代田)の「ツイキャス」だ。配信する際にツイッターでつぶやく人が多く、20代の利用者が目立つ。「SHOWROOM」はアイドルや芸能界を目指している人の配信が多く、応援する形で利用者には40代男性が最も多い。

LINEが運営する「LINE LIVE」はタレントやモデルの配信が多く、視聴者は30~40代の男性が4割を占める。「ミラティブ」はゲーム配信と顔出し不要のアバターを使う配信が特徴で、10~20代に高い人気がある。韓国アイドルのライブ配信を見られる「Vライブ」は女性が8割を占める。

ライブ配信アプリ市場が成長している理由は3つある。1つ目は「自分事」化だ。視聴者は認知や反応を得るためにコメントや投げ銭をし、配信者は視聴者に声をかける。両者の距離はとても近く、配信者を中心とした集まりができる。イベントを開けばメンバーが一丸となって協力。ユーザー自身も主役となり、サービスから離れなくなる。

2つ目は人々が求めるコンテンツの変化だ。若い世代を中心に、作り込まれたものではなくリアルな内容に人気がある。ライブ配信はリアルを追い求めた最終形といえる。テレビのような演出も台本もない。何が起こるかわからないドキドキ感に魅了される。

3つ目は配信のハードルの低さだ。ライブ配信はスマートフォンさえあれば簡単にアプリから配信できる。各アプリもチャレンジしやすいように設計している。ミラティブのようにアバターがあれば、自分の容姿に自信がない人でも臆せず配信できる。SHOWROOMは他の人の配信を見に行くと、星と呼ばれる配信者に投げるアイテムをゲットできる。ユーザーがアプリ内を回遊し、配信を始めたばかりの人にもユーザーが訪れやすくなっている。

着実に伸びているライブ配信だが、課題もある。ライブ配信と相性が良いライブコマースは、日本ではまだ成功していない。2017年7月にメルカリが「メルカリチャンネル」を始めたが、今年7月に終えた。5Gにより動画配信の環境がより整うなかで、市場がどう変動するのか注視したい。

[日経MJ2019年8月7日付]

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