春秋

2019/8/1付
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日本ほど着ぐるみが好きな国は珍しいかもしれない。終戦直後に世界をうならせた映画「ゴジラ」から、昨今の「ゆるキャラ」まで様々な場面で活躍している。イベント会場やテーマパークで迎えてくれるキャラクターは、完成度とは関係なく、見ているだけで楽しい。

▼「中に人など入ってません」。真面目顔で話すファンもいたりして、着ぐるみ熱の高さにちょっと閉口することもある。学生時代、スーパーの屋上で怪人軍団の一員としてヒーローと対峙した身には、マスク内にこもる熱や湿気や臭いが、忘れようとしても忘れられない。役割を果たさねばと、ただただ必死で動き回った。

▼いちいち書くからかえって暑い、といわれそうだが今年も暑い。熱中症になる人が急増し、大阪府枚方市の遊園地では、着ぐるみを着てダンスの練習をしていたアルバイトの男性が死亡した。自分で体の異変に気がついたときにはもう、遅いのだという。時間やタイミングを決めて、定期的に水分を補給することが肝心だ。

▼着ぐるみでなくとも、使命感や熱い期待を我が身にまとえば、当然のことながら奮闘の度合いは増す。間もなく始まる全国高校野球も来年の東京五輪も、酷暑大会となるのは間違いなかろう。「なぜわざわざこの時期に」との疑念はさておき、選手にも観客にも、とにかく強制的に水分や休憩をとってもらう手立てが要る。

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