文豪の息吹 外国人も探訪 小泉八雲記念館(松江市)
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2019/7/29付
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NIKKEI MJ

明治の文豪、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の功績を紹介する小泉八雲記念館。松江市を代表する観光施設の1つだが、最近は外国人来館者が増えている。2018年度は14年度の約2倍になり、全体の4%に達した。市内の他施設に比べ欧米人の割合が高いのが特徴で、同館では「海外でハーンの著作に対する関心が高まっていることが背景にあるのでは」(小泉凡館長)とみている。

小泉八雲記念館は松江城北の観光地区である塩見縄手にある。同館によると18年度の外国人来館者数は3150人。国・地域別では米国からが959人と最も多く、オーストラリア(422人)、フランス(307人)と続く。

松江は近くの米子空港(鳥取県境港市)にソウル、香港との間に国際定期便が就航し、境港―韓国間にもフェリー航路があるため、韓国や中華圏からの観光客が多い。しかし、18年度に同館を訪れた韓国人、香港人はそれぞれ202人と109人だった。欧米人はツアーではなく、個人旅行による来館がほとんどだ。

1階にある展示物のほとんどに、ネーティブに訳してもらった自然な英語案内文を付けている。2階の図書ブースには八雲関連の著作がそろうほか、気軽にくつろげる多目的スペースがあり、数時間滞在する外国人も多いという。

八雲は1890年8月に旧制中学校の英語教師として松江に着任し、約1年3カ月を過ごした。妻セツは松江の出身で、再話作品「怪談」などの執筆を助けた。八雲記念館はそうした縁で1934年に開館した。

今年は八雲がアイルランドから米国に渡って150年にあたり、同館では記念行事が目白押しだ。八雲と親交が深かった米国人2人に関する資料を展示する通年企画展「ハーンを慕った二人のアメリカ人~ボナー・フェラーズとエリザベス・ビスランド」=写真=が6月末スタート。「ラフカディオ・ハーンとアメリカ」と題した計5回の連続講座も始まった。

大阪から来た80代の男性は企画展を見て「初めて来館したが、松江と八雲の深い関わりが分かり、とても興味深かった」と話した。

島根県は訪日客誘致で後れを取っており、昨年の外国人宿泊者数は全国で最下位だった。小泉凡館長は「地域資源を生かした企画を担う着地型観光の拠点として、外国人の滞在を増やすことに貢献したい」と話す。

(松江支局長 西村正巳)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2019年7月29日付]

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