2019年8月21日(水)

広い店内で在庫をすぐ確認 米ターゲット、アプリは店員
奔流eビジネス (スクラムベンチャーズマーケティングVP 三浦茜氏)

コラム(ビジネス)
ネット・IT
2019/7/26付
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NIKKEI MJ

ドラッグストアやスーパーなど量販店のスマートフォンアプリは珍しくない。ただ機能としては、セール情報やクーポンの配信、ポイントカードの代替が主ではないだろうか。米ディスカウントストアのターゲットはもう一歩進んでいる。

米ターゲットは店舗で会員専用のカードによる割り引きをアピールする

米ターゲットは店舗で会員専用のカードによる割り引きをアピールする

ターゲットは米5位の小売りチェーンで全米に1853の店舗を持つ。家電、衣料、食料雑貨も扱う総合ディスカウント店であり、近年はスタートアップの買収や協業にも積極的だ。

筆者が行くようになったきっかけはママ友のすすめだった。自主企画(プライベートブランド)商品は質がよく価格も安いという。しかもレッドカードという会員専用クレジット(またはデビット)カードを作れば、何でも5%オフ、ベビー用品の定期購入は15%割引になる。無料で翌々日に商品が届き、返品期間も延長できる。

家の近くに店舗があり、早速クレジットカードを作成した。アプリもダウンロード。ターゲットライフのはじまりである。

このカードで買えば安くなるので、ネットで商品を探している時に、「ターゲットで扱っていないだろうか?」とアプリで検索するようになった。ターゲットのアプリはオンライン、オフライン全ての商品が検索できる。アマゾンほど何でもあるわけではないが、あるならターゲットで買おうとなる。

お目当ての商品が店にあった場合、どの通路にあるかまで地図付きで教えてくれる。米国では店舗が非常に大きく商品にたどり着くのも一苦労なので、気遣いはありがたい。

店での買い物中にもアプリが活躍する。先日、靴下を買いに行った際、複数ペア買おうとしたが1セットしか見当たらなかった。広い店で店員を探すのも一苦労。そのうえ、店員が在庫状況を把握しているとは限らない。そこでアプリの出番である。

靴下のバーコードを読み取ると、その店舗での在庫状況が分かる。残念ながら欲しい靴下はなかったが、その場でオンラインで買えた。

みうら・あかね 上智大学卒。サンフランシスコ在住。米国でアーリーステージのスタートアップ投資を行うスクラム・ベンチャーズ マーケティングVP。

みうら・あかね 上智大学卒。サンフランシスコ在住。米国でアーリーステージのスタートアップ投資を行うスクラム・ベンチャーズ マーケティングVP。

バーコードスキャンは、服を試着していて他のサイズが必要になった場合にも在庫確認に役立った。値札が付いていない商品の値段確認にも便利だ。店員を探さなくてよい、話しかける必要がないというのは、非常に快適だ。

しばらく使ってみて、アプリが店員なのだと感じるようになった。クーポンの配信に加え、値段も在庫状況も教えてくれる、取り寄せもしてくれる。とても優秀な店員ではないだろうか。オンラインとオフラインの垣根のなさも非常に心地よい。

アプリには前述のレッドカードも登録できる。このバーコードさえあればターゲットで買い物ができ、実際のカードを持ち歩く必要はない。財布が膨らみがちなので、これまたうれしい機能である。

ターゲットが提供するサービスは、ほんのちょっとだけ手間を省いてくれる。テクノロジーにより世の中が便利になり、自分自身含めユーザーはどんどん怠け者になっている。一見たいしたことではないように感じるが、この一手間を省くことが購買率アップにつながるのだと感じだ。

[日経MJ2019年7月26日付]

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