2019年7月17日(水)

春秋

春秋
2019/7/10付
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東京・渋谷の公園通りに、ちょっと変わった観光名所がある。建て替えが進む渋谷パルコの工事現場だ。敷地を囲う外壁に大友克洋さんのSFマンガ「AKIRA」の巨大なイラストが約50メートルにわたり描かれている。街の活性化につなげるための取り組みなのだという。

▼工事の進捗にともなって、間もなく壁が撤去されると聞き現場に足を運んだ。大友さんの作品は海外にも熱心なファンが多い。先日、米アカデミー賞を主催する映画芸術科学アカデミーが、大友さんを新規会員に迎えると発表したばかり。それもあってか、壁の前では外国人観光客のグループが笑顔で写真に納まっていた。

▼40年近く前に連載が始まった「AKIRA」の舞台は「翌年に控えた五輪に向け、再開発が進む2019年の東京」。大友さんの予言が当たった形になっている。ただ作品の中の東京は新型爆弾で崩壊しており、人々が暮らすのは東京湾上に築かれたネオ東京との設定だ。こちらが現実とかけ離れているのは何よりである。

▼それでも世界のあちこちから、毎日のようにきな臭いニュースが伝わってきて、胸がざわつく。米国との対立を強めるイランは核合意の枠を超え、ウランの濃縮度を高めつつある。脅し合いを続ければ、いつ偶発的な衝突が起きてもおかしくない。渋谷で聞いた再開発のつち音からは、明るい未来が感じられたのだけれど。

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