2019年9月20日(金)

オキュラス・クエスト、大人もゲーム没入 VRの進化
先読みウェブワールド (山田剛良氏)

2019/7/1付
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NIKKEI MJ

米フェイスブック・テクノロジーズが5月に国内発売した仮想現実(VR)ヘッドマウントディスプレー「オキュラス・クエスト」がブームの兆しを見せている。パソコンやゲーム機に接続せずに使え、コードが絡まらない。身体の移動や両手の動きをしっかり捉える機能を持ち、価格は約5万円と手ごろなためアマゾン・ドット・コムでは品薄状態が続いている。

勝間和代さん(左)が開いたクエストパーティー。ゲームでは協力してプレーしているが現実の動きはバラバラ

勝間和代さん(左)が開いたクエストパーティー。ゲームでは協力してプレーしているが現実の動きはバラバラ

「毎日2時間は汗だくで遊んでます。ものすごく運動になるのでフィットネスクラブはもう解約しようかと思ってるくらい」と語るのは経済評論家の勝間和代さん。発売日に買い、遊んでいる様子をブログなどで発信している。

主に楽しむのはゲーム「ビートセイバー」(チェコのビートゲームズ)。手に持った光る剣で迫る的をリズムに合わせてたたき斬る。両腕を激しく振り、ステップを踏んで素早く動かないとクリアできない。「没入感がすごくて夢中になる。2時間あっという間」。遊ぶための専用部屋を作ったほどだ。

ビートセイバーは光る剣で的をたたき斬る

ビートセイバーは光る剣で的をたたき斬る

先日は10人ほどの仲間を集めてパーティーを開いた。複数プレーヤーで協力して敵を倒す「ソード・オブ・ガルガンチュア」(よむネコ)は、ネット対戦ゲームなので一緒にいる必要はない。だが集まると、ゲームでは協力しているのに現実はバラバラに動いてる不思議な絵面になる。「人がプレーしている姿を見てるのも面白い」と勝間さん。

「気がつくと、会う人みんなにクエストを熱く勧めてる」と話すのはコミュケーションロボットの情報発信やコンサルティングを手掛けるロボットスタート(東京・目黒)副社長の北構武憲さんだ。

新しいガジェットは知っておこうと軽い気持ちで入手したが、毎日1~2時間遊んでいる。ゲーム世代だが社会人になってここまで熱心に遊んだことはない。「VR空間に入り込む感覚がすごい。ゲームが終わってヘッドセットを外すと現実に戻ってちょっとガッカリする」と笑う。「たった5万円でこんな体験ができるのはめったにない」

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て16年から日経テクノロジー・オンライン(現・日経 xTECH)副編集長。17年10月から日経ものづくり編集長も兼任。京都府出身

やまだ・たけよし 東工大工卒、同大院修士課程修了。92年日経BP社に入社、「日経エレクトロニクス」など技術系専門誌の記者、日本経済新聞記者を経て16年から日経テクノロジー・オンライン(現・日経 xTECH)副編集長。17年10月から日経ものづくり編集長も兼任。京都府出身

ゲーム開発者の吉岡直人さんは「クエストは開発者が納得いくまで試作を繰り返し、精度を徹底的に磨いた感じがする」と話す。身体や手の動き、移動を検知するセンサーの精度と反応が圧倒的に優れているという。加えて映像や音響の質が現実感を支える。

調査会社の米IDCは拡張現実(AR)とVRを合わせた市場規模が年平均78%で成長し、2023年には1600億ドル(約17兆円)に達すると予測する。機器が半分以上を占める見込みだ。

ソニー・インタラクティブエンタテインメントがVR用ヘッドセット「PlayStation VR」を発売してから3年。視界を塞ぐ没入感と身体性は、従来のビデオゲームと一線を画す。スポーツの指導やフィットネスなど、ゲーム以外の用途も見えている。性能を高めたオキュラス・クエストは新たな市場を開く一歩となりそうだ。

[日経MJ2019年7月1日付]

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