2019年7月22日(月)

ニュースアプリ ついでにクーポン、女性をつかむ
読み解き 今コレ!アプリ フラーAppApeLab編集長、日影耕造氏

コラム(ビジネス)
ネット・IT
2019/6/26付
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NIKKEI MJ

店舗で使えるクーポンがニュースアプリの位置付けを変えつつある。ニュースをまとめたプラットフォームとしての機能だけでなく、日々の生活に密着したアプリとして価値が高まっている。

スマートニュースはクーポンをつけ利用者が2倍近くに増えた

スマートニュースはクーポンをつけ利用者が2倍近くに増えた

スマートニュース(東京・渋谷)が手がけるニュースアプリ「スマートニュース」はその先駆けだ。フラー(千葉県柏市)のスマホアプリ分析ツール「AppApe(アップ・エイプ)」の推計によると、スマートニュースの月間利用者数(MAU、iOSとアンドロイドを合算)は、クーポン表示を開始した2018年3月からの1年2カ月で8割増え、約950万人に成長した。

ニュースアプリとクーポンの関係は、紙の新聞と折り込みチラシによく似ている。読者は日々ニュースを見たり読んだりし、「ついで」にクーポンを見つける。ニュースに加え消費行動にも直接働きかけ、さらに習慣を強める。

実際、スマートニュースの5月の利用者のうち、月に20日以上起動するヘビーユーザーは約600万人と、同じ期間で2倍に増えた。利用者全体に占める割合は63%と7ポイント高まった。

ユーザー構成も変わった。クーポン開始時に女性は全体の38%だったが、足元では43%になった。女性を年代別にみると40代が120万人で最も多く、伸びも2.1倍と著しい。これまで獲得できなかったユーザー層を開拓した。

クーポンを提供する企業にとっても、自社アプリのみではリーチできない新たな顧客に裾野を広げられる。特定の店舗やブランドのアプリをインストールするのはコアな常連客だが、ニュースを見た「ついで」にクーポンを発見するのはライトな顧客が多い。

アプリでユーザーの嗜好や行動を把握すれば、さらにパーソナライズした記事や広告を提供できる。クーポンを出す企業は次のマーケティング施策の精度を高められ、アプリ事業者には新たな収益につながる。

スマートニュースの成功をきっかけに、他のニュースアプリでもクーポン機能の搭載が相次ぐ。グノシーのニュースアプリ「グノシー」は試験導入を経て18年12月に、グノシーとKDDIが共同で運営する「ニュースパス」は3月にクーポン表示を追加。ヤフーも4月、ニュースを含む総合ポータルアプリにクーポンタブをつけた。

今後の鍵を握るのは、クーポンにとどまらないユーザー体験の拡張だ。クーポンやポイントカードの提示、モバイル決済といった支払いで生じる一連の体験を切れ目なく提供し、いかにユーザーの時間を奪わず、手間をかけずに利用してもらえるかが重視されるだろう。

本業のニュースを軸とするサービスの質も重要になる。アプリに集まるニュースに価値がなければ、そもそも利用者は集まらない。あらゆるデータを駆使したマーケティング力がさらに求められる。

[日経MJ2019年6月26日付]

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