春秋

2019/6/25付
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ニックネームはRBG。米国史上2人目の女性として米最高裁の判事となったルース・ベイダー・ギンズバーグさんである。今なお現役、最高齢のルースさんの人生を描くドキュメンタリー映画「RBG 最強の85才」が日本で公開されて、静かなヒットとなっている。

▼ハーバード法科大学院に入学、教授にこう問われたそうだ。「男性の席を奪うどんな権利が君にあるというのだね?」。夫からの暴力は罰せられず、女性は夫の連帯保証なしに銀行口座も開けない。1970年代、ルースさんが若き弁護士として最高裁に持ち込んだいくつものケースは米国の女性の生き方を大きく変えた。

▼と聞かされれば、パワフルな活動家を思い浮かべるかもしれないが、素顔はきわめてシャイな女性だ。ところがその人がラッパーかスポーツ選手のように「RBG」と呼ばれ、ミレニアル世代に熱く支持される。大きなメガネにしゃれた襟つきの法衣でものまねをする芸人が現れて人形やTシャツが飛ぶように売れるのだ。

▼分断が進む米国ではかつてないほど「盟友」が必要とされている。先日、東京都内で映画の制作者ナディン・ナトゥアさんはこう話した。夫や同僚と助け合い、筋金入りの保守派判事と友情をはぐくむルースさん。法の下の国民の平等を信じて、穏やかに時にユーモアまじりに人と共に歩む姿が、時代のアイコンになった。

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