2019年7月23日(火)

春秋

2019/6/18付
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安土桃山の時代、豊臣秀吉が武士以外の農民らから武器を取り上げた「刀狩り」。それ以来の伝統とも言われるのが、厳しい日本の銃器規制である。人を傷つけなくても、拳銃を発射しただけで最高刑は無期懲役。もちろん一般市民による拳銃の所持は禁じられている。

▼そうすると拳銃を手に入れようと考える無法者たちは、職務で正当に銃を持っている人から奪おうと企てることになる。安全のよりどころとして設けられた交番がそのために襲われ、警察官が死傷する事件が相次ぐのであれば理不尽極まりない。その結果、市民を守るはずの拳銃が市民を脅かす。なんとも皮肉な話である。

▼大阪府吹田市の交番の前で警察官が刺され、拳銃が強奪された。事件の翌朝、箕面市内の山中で逮捕された容疑者は、海上自衛隊などでの勤務経験がある33歳の男だった。詳しい動機はこの先の調べを待つしかないが、昨年6月にも富山市で同様の事件が起きている。とにかく拳銃を奪われないよう守りを固めるしかない。

▼以前、取材で防刃チョッキを身につけてみたことがある。だが脇などにはどうしても隙間ができるし、そもそも首や下腹部は守れない。かといって鎧甲冑(よろいかっちゅう)のようにしてしまえば、動くことさえままならなくなるだろう。では近寄ってくる市民に対し、まず身構えて応じればいいのか……。改めて、問題の難しさを実感する。

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