庭とエスキース 奥山淳志著
写真・文章で紡ぐ他者の人生
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「他者」にカメラを向けて撮影する――それはプロ写真家に限らず、誰もが日常的におこなっている行為である。だがそれが一回限りではなく、繰り返し長年にわたって続けられたならば、自(おの)ずと違う意味が生まれてくるのではないだろうか。そこには「他者」の人生がいや応なしに写り込み、被写体となる人物の記憶や体験と自分のそれとが、分かち難く感じられるようになるからだ。奥山淳志の『庭とエスキース』には、まさにそん...
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