春秋

2019/5/30付
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イタリアのケネディ家、と呼ばれたりもするらしい。フィアット創業家のアニエリ一族である。米クライスラーと合併してFCAとなった今も、実質的なオーナーとして君臨する。傘下にはフェラーリやアルファロメオ、マセラティなど、高級自動車ブランドがずらり。

▼世界的な経済誌の英エコノミストや、イタリアの名門サッカークラブであるユベントスも、アニエリ家が保有している。政界や社交界でも存在感を発揮していて、華麗なる一族と呼ぶにふさわしい。もっとも、米国のケネディ家になぞらえられるのは、先代当主の後継者とされた人物の急逝など、悲劇も背景にあるようだ。

▼現在の当主は先代の孫に当たるジョン・エルカン氏(43)。一時は自動車事業の切り離しが取り沙汰されるほど不振だったフィアットの立て直しや、クライスラーの事実上の吸収など、大胆ともいえる戦略に深く関わり、大きな成果を上げてきた。そんな若き当主の打った新たな一手が、仏ルノーに対する統合提案である。

▼GAFAやらユニコーンやらビジネスの世界の新陳代謝は加速する一方にみえる。激しさを増す荒波のなかで、長い歴史をほこる財閥がどう勝ち残り、どう影響力を広げていくのか。そんな観点からもFCAとルノーの統合交渉には興味が尽きない。ルノーと企業連合を組んでいる日産自動車や三菱自動車の行方とともに。

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