2019年6月27日(木)

日本の魅力 世界に伝える
新風シリコンバレー SOZOベンチャーズ創業者 フィル・ウィックハム氏

コラム(ビジネス)
2019/5/21付
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ベンチャーキャピタリストの育成機関であるカウフマンフェローズでは、毎年グローバルイベントを開催しており、2018年のイスラエル、17年のシンガポールに続いて4月中旬に日本で開催された。

ベンチャーキャピタリスト教育機関のカウフマンフェローズの会長。データ解析やフィンテック、クラウドなどのIT(情報技術)のスタートアップに投資するSOZOベンチャーズを2011年に設立。

ベンチャーキャピタリスト教育機関のカウフマンフェローズの会長。データ解析やフィンテック、クラウドなどのIT(情報技術)のスタートアップに投資するSOZOベンチャーズを2011年に設立。

200人を超えるベンチャーキャピタリストが一堂に会する機会は例がない。セコイヤ・キャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツ、シャスタ・ベンチャーズといった著名VCが参加した。またシーメンス、ウィプロ、インテルのようなCVC(コーポレートベンチャーキャピタル)、テックスターズや500スタートアップスのようなアクセラレーター、エンデバーのような起業家サポーター、それ以外にもアジア、欧州、イスラエルを含むMENAまで幅広いVCから参加者が名を連ねた。顔ぶれも女性が3割以上の割合を占めた。

今、このタイミングでの日本開催には、いくつか理由がある。1つが日本にオリンピックも控えていることもあり、訪問したい国ナンバーワンの観光都市としての関心の高まりだ。

もう一つの大きな理由が、1千億ドル(11兆円)のソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)を含めた日本企業のベンチャーへの関心の高まりだ。SVF以外の例でも第一生命、損保ジャパン、三菱UFJ銀行などの米国ベンチャーとの協業が関心の高いトピックとなった。とはいえSVFは日本への投資よりも海外の投資が多く、日本の企業、起業家、ベンチャーキャピタルは海外ではまだほとんど知られていないのが実態だ。

参加者からは、日本のベンチャーキャピタル業界が米国のシカゴからテキサスを中心とした中西部程度の規模にとどまっていることに驚いたという発言があった。規模以外にも運営方針に利益相反などの改善すべき点、必ずしも起業家の利益に貢献していないファンドのケース、海外CVCやアクセラレータ・プログラムのベストプラクティスなどについて話された。

イベントの前後で日本の豊かな文化、食も参加者は見聞した。すし、天ぷら、神戸牛などを堪能し、東京、大阪、京都、直島も人気で北海道や沖縄に出かける人もいた。サントリーのウイスキー「響」や東京・台場のチームラボのデジタルアートミュージアムも人気だった。このイベントがベンチャー業界の関係者が日本を知るきっかけになれば良いと思っている。

カウフマンフェローズは"世界を変える起業家"をサポートしていくことをミッションにしており、世界の起業家に世界中につながった"賢い資本"を提供することもミッションにしている。カウフマンフェローズを通して日本が持つ固有の魅力を世界に発信するだけでなく、世界標準としてのベンチャー業界のガバナンス、サポートシステム、コンフリクトを抱えない誠実なファンド運営、VCへの投資の留意点、ベストプラクティスなどを日本に伝え、日本のVCが熟練し起業家が世界に出る支援を今後も継続していきたいと考えている。

[日経産業新聞2019年5月21日付]

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