2019年6月17日(月)

連休取って自分を「空」に
SmartTimes インディゴブルー会長 柴田励司氏

コラム(ビジネス)
2019/5/17付
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5月の10連休は休日の過ごし方を考える良い機会になったはず。何もすることがない、という感覚はしめたもの。次に何かを始める「精神的スペース」の誕生である。Vacationとはよく言ったものだ。新しいことをするため自分をVacant(空)にする。今年は多くの人にとってVacation元年だったかもしれない。

1985年上智大文卒。マーサ-ジャパン社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブの最高執行責任者(COO)などを経て、2010年インディゴブルー社長、15年から会長。

1985年上智大文卒。マーサ-ジャパン社長、カルチュア・コンビニエンス・クラブの最高執行責任者(COO)などを経て、2010年インディゴブルー社長、15年から会長。

一方で、10連休など関係なく仕事をしている人たちがたくさんいる。レストランやレジャー施設などで働く人にしてみると10連休はむしろ繁忙日の連続だったはず。コンビニや鉄道などもそう。私が住むマンションでもゴールデンウイークに関係なく、いつもどおり清掃され、いつもどおり受付が勤務していた。一般人の生活を支える職業の人たちを忘れてはならない。

5連休以上が発生した年は、すべての事業者で労働者に5連休を取得させることを義務づけしてはどうか。サービス業は土日や祝日が関係がないシフト勤務で3連休は取れる。しかし5連休となると相当の理由がないと取りにくい。身体を休める休日はあってもVacationがない。サービス業の人たちこそ、自分を空にする時間が必要だ。彼らの「滅私奉公」を当たり前にしてはいけない。

「この人手不足で休みを増やすことを強制されてはたまらん」という事業者もいると思う。しかし強制された状況が工夫を生む。自社の提供価値を再考して守るべきことや止めるべきこと、新たに始めるべきことを考え、その実現のために工夫する。ここに着手してこその働き方改革だ。

残業時間の規制をすることが働き方改革ではない。これまで10時間かかっていた業務を、いかに5時間で終えるか。そのための工夫をすることが本丸だ。

工夫を邪魔するのが「これまでこうやってきた」という意識だ。シニア層から、進んで新しいやり方にチャレンジしてほしい。新しいことはやってみないとわからない。議論し過ぎるのは良くない。できない理由がたくさん出てきて、やってみようという気持ちそのものが萎えてしまう。まずはやってみるべし。

私が会長を務めるインディゴブルーは今年度から役員、社員、契約者の全員に連続10日の休暇を義務づけした。弊社の資産は働く仲間一人ひとり。彼らが提供する価値が向上しないと会社の価値も毀損してしまう。しっかり自分を「空」にして、そこに新しい何かを入れてもらいたい。

そのために1人10万円を自己投資手当として支給することにした。休みが重なるといけないので、あらかじめ管理部長に申請するようにして、私が一番に申請を出した。私と現社長がスケジュール的に最も取りにくいから率先した。さっそく、この4月から5月にかけて10連休と土日をひもづけして、24連休の社員が出た。素晴らしいことだ。

[日経産業新聞2019年5月17日付]

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