春秋

2019/5/15付
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地層がいつの地質時代のものかを裏付けるのが示準化石で、当時の環境をうかがわせるのが示相化石。理科の授業で習ったからご存じだろうか。三葉虫の化石が出れば古生代、造礁サンゴなら温暖で浅い海ということだ。ではいまの時代を未来に伝えるものは何だろう。

▼プラスチックが人間が生きた時代の化石になりつつある――。東京農工大教授の高田秀重さんが以前、本紙で警告していた。微小なプラスチックの粒は、すでに世界中の海に堆積している。何億年か先、「プラスチックがたくさん出土した。この地層は人類が繁栄していたころのものだ」といったことになるかもしれない。

▼有害な廃棄物の輸出入を規制するバーゼル条約の締約国会議が開かれ、規制の対象に使用済みのペットボトルやプラスチック容器などの廃プラスチックが含まれることになった。新たな規制案については日本も共同提案国として名を連ね、会議を主導したという。その志やよし、であるがこの先の道はかなり険しいようだ。

▼何しろ日本は1人当たりの使い捨てプラスチックの量が世界で2番目に多い。多くの廃プラを輸出して処理してきたが、今後は国内でのリサイクルなどで対応していくしかない。「あんなに蓄積していたプラスチックが、突然少なくなっている!」。未来の地球の住人が首をかしげるような、そんな取り組みを期待したい。

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