春秋

2019/5/14付
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「グレタ」と聞いて誰を思い浮かべますか? スウェーデン生まれの伝説的な大女優、グレタ・ガルボがまずは有名だろう。しかし、いま世界の話題を集めているグレタは弱冠16歳だ。やはりスウェーデン人で、女子高生のグレタ・トゥンベリさん。環境活動家である。

▼グーグルでその名を検索すると、日本語でも英語でもガルボを押しのけていちばん上に出てくる。地球温暖化防止を訴え、ストックホルムの議会前に座り込んだのが昨年8月だという。それが共感を呼び、運動は各国に広がった。称して「未来のための金曜日」――。毎週金曜日に中高生らが学校を休んでデモに繰り出す。

▼生徒はまず勉強だ。街頭で声を上げたって何も変わらない。SNS(交流サイト)に感化されて騒いでいるだけ。大人たちは冷ややかな視線を投げかけもするが、若者が地球の将来に切実な危機感を抱いていることはたしかだ。事態が深刻化する今世紀の後半、いまの子どもたちは生きて、それに直面しなければならない。

▼日本にも運動は波及しているが、欧州などに比べたらささやかである。「行儀の良さ」を喜ぶべきか、憂えるべきか。もっとも金曜日のデモというなら、こちらの首相官邸前でも改憲反対などを叫んで毎週、繰り広げられている。集まる人の多くは、グレタと聞けばガルボと答えそうな世代だ。彼我の差、なかなか大きい。

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