2019年8月19日(月)

志高い人に育てる教育を
SmartTimes サムライインキュベート代表取締役 榊原健太郎氏

2019/5/13付
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4月に長女が幼稚園に入園した。うれしさと少し寂しい気持ちが交差するそんな時期が我が家にもやってきた。私は日々「サムライインキュベート」という名前を掲げて起業家育成支援をしているが「インキュベート」は孵化(ふか)させるという意味であり、子供の成長を支援する教育にもつながる言葉だと思っている。私は41歳で子供に恵まれた時に初めて、子を持つ親こそが真のインキュベーターであると痛感し、常々そう思う。

74年生まれ、関西大学卒。大手医療機器メーカーを経て00年アクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)入社。08年にIT起業家の育成支援をするサムライインキュベートを創業。

74年生まれ、関西大学卒。大手医療機器メーカーを経て00年アクシブドットコム(現VOYAGE GROUP)入社。08年にIT起業家の育成支援をするサムライインキュベートを創業。

起業家支援のゴールは世の中の課題を持つ人々に解決するソリューションを提供し、収益を拡大させて上場や世界展開へ持っていくという比較的わかりやすい指標がある。一方で、子育てや教育にはゴールや正解はないと感じており、私も日々苦悩する。

ただ常々思うのは、今ご支援させて頂いている起業家の方々のように、子供たちにもいずれ課題を捉えて真摯に挑戦し、解決策を見いだせるような志高い人に成長してほしいということだ。また私は40歳手前でイスラエルに移住して語学で苦労することになったが、それまで不得手を理由に多くの選択肢を捨ててきたようなものである。語学のハードルから多くの可能性を捨てるようなことにはなってほしくない。

こういった視点で我が子の幼稚園選びも公立か私立かインターナショナルか、妻とともに検討した。岐阜県山県市はのどかな環境だが、言語に関しては非常に運がいいことに、近隣にインターナショナルスクール幼稚園がある。そして高い志を持って挑戦する人になるという点では、その幼稚園が国際バカロレア(IB)機構の提唱する指導方法を取り入れていることがポイントになった。

「考えさせる教育」「いかに子どもが主体的に学ぶことができるか」を重視し、教師は子ども自ら考えて経験し学びを深めていけるようにするファシリテイターであるそうだ。私はIB教育自体の推奨というより、このような考え方の教育が、まさに起業家や世の中を大きく変える人が持ち合わせるものではないかと思っている。

世界を見ても、成績表をつけず学生の長所に重きを置く学校や世界7都市を移り住みながらオンラインのみで授業する全寮制学校、全学年でテーマ別研究を行い子どもが自分の考えや解決策を見つけることに重点を置く学校と、学問だけでなく生徒が主体的になる教育方法が注目を集める。

「できるできないでなく、やるかやらないか」という精神を基にした行動が今の人類の繁栄のベースとなっていると私は思っているが、先のような教育が日本にも広がると、世界をリードできる日本に変われるだろう。

娘にプレッシャーをかけたくはないが、世の子供たちが志高い人に育ってくれることを切に願う。

[日経産業新聞2019年5月13日付]

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