2019年6月27日(木)

「農×食」満喫、ファンつなぐ レガーレこおり(福島県桑折町)
おもてなし 魅せどころ

コラム(ビジネス)
北海道・東北
2019/5/13付
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NIKKEI MJ

福島県の北部に位置する桑折町は皇室への「献上桃」をはじめ、果物や野菜など豊かな農作物で知られる。同町が力を入れているのが「農」と「食」を融合させた観光振興と地域活性化だ。オープン1年を迎えた町の農業振興拠点「Legare Koori」(レガーレこおり)には農産物の魅力を堪能しようと多くの観光客が足を運ぶ。

「レガーレこおり」では「農」や「食」を様々な仕掛けで楽しませてくれる

「レガーレこおり」では「農」や「食」を様々な仕掛けで楽しませてくれる

桑折町は仙台藩伊達氏の発祥の地とされる。古くは奥州街道と羽州街道の分岐点の宿場町として栄えた。春には桃の花が咲き乱れ、まさに「桃源郷」の風景が広がる。昨年から、地域の基幹産業である農業と、地元の農産物の魅力を最大限に生かした観光誘客が本格化。レガーレこおりを拠点に「食べる」「体験する」「創る」「買う」という4つのカテゴリーからなる試みで、桑折ファンの拡大を狙う。

「食べる」の柱はレストラン「PizzaSta(ピザスタ)」で、地場産のアスパラガスやトマトなどを使ったピザをはじめ、桑折の豊富な食材によるメニューが楽しめる。「体験する」では、農業体験、子育て世代の女性によるワークショップなどを展開する。

「創る」では町が持つ桃の菓子作りのノウハウなどを生かして、6次産業化の商品開発をレストランの利用客なども交え行う。「買う」では作り手の顔を見ながら農産物を求めることができるマルシェを開催する。

観光客らは1日最大120人と好評で、3月には来館者3万人を達成。中国人など訪日外国人客の来館も増えていて、来年に福島市で開催の東京五輪の野球・ソフトボールの競技に合わせ、外国人客の増加も予想される。日本の原風景とも言える桑折の自然の中で産品を味わってほしいとPRを強める構えだ。

10連休を利用して訪れた福島県川俣町の鈴木久子さん(64)は「大きな青空が広がる桑折で、外国の方にも福島の『農』や『食』のすばらしさを堪能してほしい」と話す。

桑折町でも人口減少や農業の後継者不足は深刻だ。一連の取り組みには、地域の魅力を発信し、移住・定住に興味を持つ人を増やしたいという町や住民らの願いがある。レガーレにはイタリア語でつなぐという意味がある。中村彩館長(39)は「訪日客も含め桑折ファン同士がつながるような場所に育てたい」と話している。

(福島支局長 田村竜逸)

[日経MJ 観光・インバウンド面 2019年5月13日付]

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