橋田壽賀子(7)玉音放送
思わぬ敗戦、理解できず 海軍で戦後処理、書類燃やす
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堺の家に帰れば、また母といさかいを繰り返しながらの生活が始まる。憂鬱だった私に救いの手を伸ばしてくれたのはソウルの父だった。父の紹介で大阪の蛍池(ほたるがいけ)にある大阪海軍経理部に、下宿付きで「理事生」として採用された。
理事生はコネで入ったと思われる良家の子女ばかりで、軍属だったらしい父はどこかに手を回して、私を押し込んでくれたのだろう。
世間から食糧や生活物資がほとんど消えてしまったという...