2019年6月19日(水)

味の素、アスリートの「勝ち飯」 受験や部活向けレシピ
戦略ネットBiz

コラム(ビジネス)
ネット・IT
2019/5/8付
保存
共有
印刷
その他

NIKKEI MJ

味の素がアスリート向けだった栄養プログラム「勝ち飯」を一般にも広げようと、インターネットを使ったPRに力を入れている。ウェブ広告を利用して特設サイトに誘導。管理栄養士お墨付きのレシピを活用してもらい、受験や部活に励む子どもを持つ母親を後押しする。勝ち飯レシピの投稿を呼び込みさらに認知度を高め、「食」を巡る味の素ブランドを磨く。

競泳の松田丈志さんらによるイベントも

競泳の松田丈志さんらによるイベントも

(1)たんぱく質をしっかりとる(2)野菜をたっぷりとる(3)汁物を献立にとりいれる――。味の素がレシピなどを紹介する「味の素パーク」では、受験生や部活生が最大限に力を発揮できるよう栄養面でサポートするという、勝ち飯のコンセプトを紹介している。

勝ち飯はもともと、五輪選手のパフォーマンス向上を目的としたアスリート向けの取り組みだった。味の素は水泳やバドミントン、フィギュアスケートなどの選手について、体づくりから試合の時期まで支援してきた。

アスリート向けとはいえ食材は通常だけにコンセプトは五輪選手以外にも通用する。ただアスリート向けの食事は特別と思われがち。「新商品なら数十秒のテレビ広告で伝えられるが、勝ち飯のような商品横断型のコンセプトを消費者に理解してもらうには時間が足りない」と家庭用事業部の仙波正大さんは話す。

そこでネットを活用して勝ち飯の普及に力を入れることにした。2018年2月に2種類のウェブ広告を用意。母親層が見がちなポータルサイトを中心に広告を展開した。ウェブ広告からサイトに誘導するため、人気スポーツ選手を起用するなど試行錯誤を繰り返した。

ツイッターなど交流サイト(SNS)もフル活用する。人気選手が出る試合に合わせて応援メッセージを発信するなど、勝ち飯を消費者に身近に感じてもらうようにした。

ウェブ広告からサイトを訪れた消費者がページをどこまで読み進めたかを調べると、当初は平均15%に満たなかったが、1年後の19年2月には60%に高まった。「勝ち飯のコンセプトはきちんと目を通してくれている」と仙波さんは手応えを感じた。レシピページまでたどり着いた消費者も5%から25%に増えた。

有名選手が実際に食べたレシピもウェブで紹介する

有名選手が実際に食べたレシピもウェブで紹介する

人気選手のウェブ広告から訪れる消費者は選手のファンも多い。「アスリートが実際に食べている」「管理栄養士おすすめ」といった文言で、子どもの栄養を支えたい30~40歳代の母親層に好印象を与えようと工夫する。

勝ち飯をより身近にするため、今年は消費者が考えた勝ち飯レシピの投稿イベントも開く予定だ。コンセプトを意識して勝ち飯を自宅でつくれることが消費者に浸透すれば、材料となる味の素の商品群の拡販につながる。

ネットでの取り組みに食品スーパーといったリアルの活動も連動させる。「いまは母親層への浸透が中心だが、今後は子どもへの情報提供にも力を入れる。子どもが『勝ち飯を食べたい』と母親に伝えるようになるのが理想だ」と仙波さん。若年層向けのネット広告戦略の研究が今度の課題となる。

(長縄雄輝)

[日経MJ2019年5月8日付]

「日経MJ」をお手元のデバイスで!

 日経MJではヒット商品の「売れる」理由を徹底リサーチ。売り場戦略から買い手の最新動向まで、独自に取材。「日経MJビューアー」を使えば、全てのデバイスで閲覧できるようになります。

保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報