仕上げ左右するアイロン選び コード付きで素早く
洗濯家 中村祐一
ビジネスシーンでシャツやブラウスをパリッと着こなしたいという読者も多いだろう。今回は仕上げを左右するアイロンの選び方を紹介したい。

最近はスチーマータイプのアイロンが人気で、種類も豊富だ。ただ、ハンガーにかけた状態で衣類にスチームだけ当てても、大きなシワは取れるが小ジワは残り、張りのある仕上がりになりにくい。シャツやブラウスをパリッと仕上げるには、一般的なアイロンの方がオススメだ。
一般的なアイロンにはコード付きとコードレスの2種類がある。筆者はコード付きのアイロンが断然オススメだと感じている。コードレスアイロンは動かしやすいが、熱が冷めやすく、スチームの量が安定しないものも多い。きれいに素早く仕上げるには、コード付きアイロンを選ぶとよい。
シワなくパリッと仕上げるには、スチームで繊維を十分に柔らかくした後に、スチームを止めてアイロンの熱だけで乾かすのがコツだ。スチームは出したいときに出せて、止めたいときに止められることがポイント。スチームの切り替えが容易なボタン付きタイプが便利だ。
アイロンのかけ面の滑りやすさは作業しやすさに直結する。滑りがよければ作業が楽にはかどるうえ、生地に引っかかって余計なシワを作ることも防げる。
アイロンがけを楽にしたいと考えて軽いアイロンを選ぶ人もいる。シャツなどにしっかりとアイロンをかけたいなら、アイロン自体に重さがある方がよい。アイロンの重みでシワが伸びやすくなるので、軽いアイロンよりも実は疲れないのだ。
アイロン台の種類も重要だ。筆者のおすすめは、立ったままでかけられるスタンドタイプ。立った姿勢の方がかけやすく、力も加えやすい。




筆者の洗濯教室の生徒からは、スタンドタイプを使ってみて「もっと早く取り入れればよかった……」という声があがる。高さの調整ができて収納しやすいものであれば、かける時の高さや収納スペースも気にならないだろう。
さらに、台の脇にアイロンが置けるものがおすすめだ。アイロン置き場がないと、作業効率は一気に下がる。小さなことだが、「アイロンを立てて、置く」という一手間で時間をロスしていることも多い。
時短家事ではうまく手を抜くのも大切だが、作業効率をよくするには道具選びも重要になる。使い勝手とよい仕上がりが両立する道具をかしこく選んで、アイロンや洗濯を楽にしてほしい。

[日本経済新聞夕刊2019年5月7日付]
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