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スリープテック、IoTで快眠 データ生かし大手も協業

先読みウェブワールド (山田剛良氏)

NIKKEI MJ

あらゆるモノがネットにつながるIoTを活用して睡眠の質を高める「スリープテック」が国内で本格化してきた。リストバンドなどのガジェットを使ったサービスが主流だったが、大手メーカーが参入。家電や寝具と連携する新製品が生まれている。他社と組むオープンイノベーションで、個人の睡眠を最適にする狙いがある。

「体感してもらえれば分かる。家電で睡眠は変わる」。4月1日に「究極の寝室」をオープンしたパナソニック。アプライアンス社の菊地真由美氏は自信を見せる。

「寝室」には、センサーを設置した2台のベッドにエアコン、加湿空気清浄機、色や明るさを自在に変えられる照明、スピーカー、アロマ送風機などを配置した。人によって異なる快適な眠りを追求する実験室だ。他社と協業して開発するために東京都渋谷区に開いた施設「&Panasonic(アンドパナソニック)」の一角に設けた。

センサーで利用者の睡眠状態を把握し、エアコンや照明を制御してより快適な眠りや目覚めを演出する。起床後に眠りの質を評価し、利用者にアドバイスもする。睡眠の研究を続けてきた知見を結集し、老舗寝具メーカーの西川などとも手を組んだ。

パラマウントベッドは6月、自動で変形して快適な睡眠を保つ寝具「Active Sleep」シリーズを発売する。睡眠状態により形状を変えるベッドと、23本の空気の筒の圧力を変えて自在に硬さを調節できるマットレスの2製品からなる。どちらもスマートフォン(スマホ)と連携して睡眠状態をはかる非接触センサーと組み合わせて使う。

2009年から販売する睡眠計測用の医療機器「眠りSCAN」などで培った技術を結集して、一般向けの分野に乗り出す。木村恭介社長は3月の発表会で「仲間を募っている」と協業を呼びかけた。

KDDIは自宅の様子をスマホで確認できる家庭向けサービス「au HOME」に睡眠の質や時間を管理する機能を加えた。スタートアップのニューロスペース(東京・墨田)と共同で、睡眠状態を目に見えるようにした。布団の下に置いて呼吸や体温をモニターする専用のセンサー「睡眠モニター01」を使う。

ニューロスペースは睡眠管理や計測、企業向けの睡眠改善プログラムなどを提供し、ANAホールディングスなど大手とも協業の実績がある。4月にはMTGベンチャーズや東京電力フロンティアパートナーズ、東急不動産ホールディングスなどから3億4千万円を調達し、出資企業のグループとの事業提携も発表した。

富士経済が2月に発表した市場調査によると、ヘルステック・健康ソリューション関連の国内市場は22年に3083億円と17年から50%増える見込み。大手の参入で今後、スリープテックの市場は大きく広がるだろう。大手とスタートアップ、異業種企業が組んで新事業を生み出すオープンイノベーションの観点でも、この分野から成功事例が多数生まれそうだ。

[日経MJ2019年5月6日付]

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