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新元号の発表を配信 令和、スマホ動画時代の幕開け

読み解き 今コレ!アプリ フラーAppApeLab編集長、日影耕造氏

NIKKEI MJ

新天皇の即位に伴い1日、元号が「平成」から「令和」に改まった。

アプリの観点から見ると、平成から令和へと変わりゆく時代は、本格的なスマートフォン(スマホ)動画時代の幕開けとも捉えられる。その象徴が新元号発表時のアプリ利用の動向だ。

菅義偉官房長官が新元号を発表した1カ月前の記者会見は、政府が公式のツイッターやフェイスブック、ユーチューブ、インスタグラムといった交流サイト(SNS)でライブ配信した。アベマTVやニコニコ生放送といった主要なインターネットメディアも、ウェブやアプリで一斉に発表の模様を生配信した。

新元号発表を公式配信したアプリのうち、特に利用が多かったユーチューブ、ツイッター、インスタグラムの4月1日の利用者数について、フラー(千葉県柏市)のアプリ分析ツール「AppApe(アップ・エイプ)」で1時間単位で推計した。3月の月曜日の平均と比べると、ツイッターは午前11時台は閲覧者数が1.72倍に上った。

ユーチューブは1.52倍、インスタグラムも1.39倍といずれも大幅に利用が伸びた。平日の午前中にもかかわらず、多くの人がアプリを通じて発表を目撃したことがうかがえる。

中でもツイッターは突出している。午前11時台に600万人以上がアプリを利用し、その後も大きく伸びた。生配信で発表の瞬間を目撃した後、ユーザーはそのままSNSに新元号関連の投稿をしたり、リツイートをしたりしたようだ。当日は深夜まで高い利用者数を記録した。

アプリを使って多くの人が歴史的な瞬間を生配信で目撃したことは、スマホが人々の生活に欠かせないインフラとなった現代社会の情報伝達の形を端的に表している。

動画配信機能を持つアプリの成長が止まらない。AppApeで集計した3月の月間利用者数(MAU)上位100アプリのうち、2割近い19アプリが何らかの動画コンテンツの配信機能を備えている。この19アプリの合計MAUは約8500万で、前年同月から12%増えた。

動画関連カテゴリー全体も好調だ。グーグルプレイ動画プレーヤー&エディタとiOS写真/ビデオの各カテゴリーで、3月の上位200アプリのMAUを合計すると約1億1900万に上り、やはり12%増えた。次世代通信規格「5G」が普及すれば、動画配信がさらに広がるのは間違いない。

昭和から平成への移り変わりを、国民はテレビという動画媒体で目撃した。一方、平成から令和の移り変わりでは、動画を配信する媒体がテレビからスマホに置き換わったといっても過言ではない。令和という時代は、動画媒体の主役が替わった節目として、語り継がれるだろう。

[日経MJ 2019年5月1日付]

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