成功報酬型とは 製薬会社が薬価提示、治療効果で判断
きょうのことば
▼成功報酬型 欧州や米国で「アウトカム・ベース」や「バリュー・ベース」と呼ばれる薬価制度で、医療への経済的な評価を薬の評価に反映させる仕組み。患者に効果が出れば製薬会社が提案する薬剤費を全額支払うが、効果がなければ支払いが不要となるか、値引きするなど弾力的に運用される。米国では製薬会社と保険会社がこうした契約を結び、医療現場で使う薬が増えている。

高額な薬剤が増え、各国の医療財政を圧迫していることが背景にある。英調査会社のエバリュエートによると、2018年の世界で処方された医療用医薬品の販売額は約90兆円で、00年(32兆円)と比べ3倍近くに膨らんだ。製造コストが高く、価格も高いバイオ医薬品の普及が薬剤費の増加につながっているとみられる。
英国では高額な薬剤を認めない傾向があるが、患者に不利益とならないように成功報酬型の仕組みを積極的に活用している。ただ成功報酬型は製薬会社の提示する価格を効果で判断する仕組みのため、政府が薬価を決める日本の医療制度になじみにくい。また、いったん成功報酬型を認めた場合、その後に価格を下げにくくなるため、公的負担にとってプラス面とマイナス面がある。