2019年5月23日(木)

春秋

2019/4/21付
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アンダードッグは英語で負け犬という意味だ。これに「効果」がつくと、劣勢の者に共感が集まる現象を言うらしい。昭和初期、25歳以上の男子が選挙権を獲得した「普通選挙」のビラやチラシなどを見ると「ゴ同情ヲ!」や「オ助ケ下サイ」といった哀願調が目立つ。

▼当時、有権者は全国で330万人から1240万人に増えている。候補者は政策を掲げるより、情にすがった方が早道と考えたのかもしれない。以来、90年余、戦争をはさみ女性の参政権も実現、選挙制度や政治の仕組みに関する知識も広まった。きょう投票の統一地方選後半の候補者の訴えは往時と違い仕事本位である。

▼地方自治は「民主主義の学校」という。ある市議選の公報を見れば「魅力ある街づくり」と警察署の新設や電柱の地中化を訴えたり、「税金の使い道を厳しく監視」とムダな箱物に反対したりしている。「判官びいき」に期待する向きはおらず、詳細なプロフィルも載せて、有権者に等身大の自らを判断してほしい様子だ。

▼だが、この熱に比べ、有権者の何とさめていることか。統一地方選の投票率は前回がほぼ40%台、今回前半も同じ傾向で、静かに「学級崩壊」が進む。普選への苦闘や無投票の地域を思えば棄権はできまい。世界を席巻するポピュリズムのワナに落ちないためにも、まずは身近な人物や主張への目を養い、1票を投じよう。

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